活動実績

OAGi関連

背景

欧米化学業界のEDI化推移

米国の化学業界はCIDXを組織し、1984年に国内標準X.12を利用する業界EDI標準を策定し普及活動を実施してきた。2001年、XMLによる新たな化学業界のEDI標準Chem eStandardsを策定・公表し、インターネットによる企業間取引のグローバルな取引に必要なメッセージ標準を開発した。日米欧の大手化学企業での実装が進み、2008年末には化学業界内での標準化を終了したため、CIDXは解散し、次のステップとして米国化学業界団体ACC(American Chemistry Council)は他業界EDI標準との容易な接続を目指すため、OAGiへChem eStandardsの著作権を移管し、以後の維持管理とCross Industry(業界横断)標準OAGISに統合化する作業をOAGiに委託した。

CIDXとOAGiの関係

(2008年12月移行)
    (OAGi資料から)

日本化学業界のEDI化推移

日本の化学業界は高度情報化推進の政府施策に対応し、1984年に石油化学工業協会に情報通信委員会を組織し、化学品受発注EDI標準JPCA-BPを開発した。JPCA-BPは現在も多くの商社と化学企業間の取引で利用されている。2001年、情報通信委員会は新たなインターネット技術を活用したXML-EDIの調査研究プロジェクトを実施し、日米欧の化学産業が一つのグローバル標準Chem eStandardsを持つことの重要性を認識しCIDXに参画した。
2002年、情報通信委員会はChem eStandardsの普及推進のため、CEDIを組織し、国内各社のEDI化を推進・支援している。2009年、OAGiへのChem eStandards移管に伴い、OAGiに加盟し、CEDIは次のステップとしてCross Industry標準OAGISの国内ビジネスへの適合性を調査研究している。

OAGiとは

OAGi(Open Applications Group, Incorporated)は1994年にERPを中心としたITベンダーがアプリケーション間(AtoA)と企業間(BtoB)のビジネスプロセスとメッセージの標準化を目的に設立した標準開発NPOである。OAGiが開発・維持している標準OAGISは複数の業界間で利用可能なCross Industry(業界横断)ビジネス標準であり、広く世界各国の企業や団体で実用されている。当初、自動車や電子機器の組立産業のへの適用が多かったが、その後、航空機、政府組織、医薬、消費財、流通等の企業内や企業間システムの統合に適用されており、2013年に発表されるOAGISレリース10は化学業界BtoB標準Chem eStandardsを包含し、Cross Industry化を拡大している。

Open Applications Group Goal

(OAGi資料から)

OAGISとは

OAGIS(Open Applications Group Integration Specification)はOAGiが開発したアプリケーション間(AtoA)と企業間(BtoB)のビジネスプロセスとメッセージの標準である。
現時点でOAGISはeコマース、製造、Logistics物流、CRM(Customer Relationship Management)、ERP(enterprise resource planning)のビジネス領域を対象としている。

最新のOAGIS 9.6では64の標準ビジネスシナリオを587の標準メッセージで構成しており、各標準メッセージはOAGiが定義した13の動詞(Verb)と92の名詞(Noun)を使って生成している。
次期レリースOAGIS 10では、さらにCross Industry(業界横断)技術プラットフォームを進化させ、国連CEFACT 3.0標準(Naming and Design Rules、CCTS、Data Types)が採用される。また、Cloud
Computing(REST)とMobile(JSON)のインターフェースを開発している。

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