Let’s Study 石油化学 ~石油化学なんでも情報~

地球環境を守るために

石油化学の貢献

地球温暖化とは

大気中に二酸化炭素(CO2または炭酸ガスともいう)などが増えすぎて、太陽から地球に届いた熱が宇宙へ逃げにくくなり、地球の気温が上昇してしまうことです。

温暖化の問題点

地球の温度が上昇すると、南極などの氷が溶け出して海水面が上昇し、島や海岸が海面下に沈んでしまい、そこでは人や動物が住めなくなります。また、気候が変わり、人や動植物の生活にいろいろと影響が出るといわれています。

二酸化炭素が発生するところ

二酸化炭素は、発電所や工場で石油・石炭などの化石燃料を燃やし電気や熱をつくるとき、家庭や工場から出るゴミを燃やすとき、自動車が走るときなどに発生し、大気中に排出されます。
私たちが生活していくということは、たくさんの二酸化炭素を排出させるということなのです。

石油化学工業の地球温暖化防止への貢献

自動車の車体を軽くすると燃費が良くなり排気ガスが減ります。車体を軽くするため、自動車部品にはプラスチックなどたくさんの石油化学製品が使われています。また、二酸化炭素を出さずに発電するクリーンな風力発電、そこにある大きな風車は、強くて軽いFRP(繊維強化プラスチック)がなかったら、大空に回ることはありませんでした。

このように、石油化学工業は地球温暖化を防止するために、なくてはならない素材(石油化学製品)を提供することで、積極的に貢献しています。

注目される風力発電と石油化学

風力発電

風力という自然のエネルギーを利用して発電するは風力発電機はみなさん良く知っていますね。

風車

電気は、わたしたちの生活になくてはならないものですが、地球温暖化防止のために、二酸化炭素(CO2)を出さない地球にやさしい発電のしくみとして、風力発電が注目されています。

自然のエネルギーの風は、どんなに使ってもなくならないし、大気を汚さない、二酸化炭素を出さない・・・クリーンな発電方法です。本格的に電力を供給するしくみとして育てていこうという動きが、世界規模で広がっています。
たくさんの風車を一か所に集めて、地域の電力供給をめざすウィンドファームも、すでに、日本各地にできています。

風を受け、大空に回るプロペラはブレードとよばれています。
本格的に発電するためには、風車はだんだん大型化し、ブレードやこれをささえる中心の部分には、強さや耐候性(厳しい自然条件に耐える性質)、そして、「軽さ」が求められるようになりました。
その結果、現在ほとんどの大型の装置には、FRP(繊維強化プラスチック)とよばれるプラスチックが素材として使われています。
FRPは、プラスチックにガラス繊維や炭素繊維などを混ぜ込んだもので、軽さと強さの両方をもっています。

風まかせで大丈夫? -風力発電のしくみ-

風力発電のしくみ

「風まかせ」という言葉があるように、風は強かったり、弱かったり・・・それで一定の発電ができるのでしょうか?

ブレードが風をうけて回ると、ブレードから伝えられた回転運動は 増速機(ぞうそくき)で一定の回転数まで上げられます。これが、発電機の回転運動に変換されて発電されるのです。

もう少し、細かく説明すると、風車には、風の向きや強さを感知する小さい風車がついています。ここで感知された情報によって装置を制御(せいぎょ)し、一定の発電ができるようなしくみになっているのです。

具体的には、風が強すぎるときは、ブレードの角度を変えて回転する力を弱めたり、弱いときには、風のエネルギーを最大限に受け取れるようにしたりします。 台風などで風が強すぎる場合は、ブレードと風の角度を0度とするので、風車は回りません。

風力発電、こんなところが優れている

どんなに使ってもなくならない自然のエネルギーである風を使っての発電です。 大気を汚しません。二酸化炭素も出しません。

自動車の軽量化に貢献する石油化学製品

地球温暖化防止のために

自動車にはなくてはならない石油化学製品

二酸化炭素の排出量について「自動車」という一つの製品を例に挙げて考えてみましょう。
材料や資源を集めてくるところから製造・販売・使用・廃棄までの製品のライフサイクルのなかで、最も二酸化炭素の排出量が多いのはどの段階だと思いますか?
それは、自動車をつくるときでも、廃車にするときでもなく、走っているとき、つまり、自動車を使っているときです。

電気自動車

EV車

燃料電池車

燃料電池車

材料製造→車体製造→走行→廃棄

 二酸化炭素の排出量を減らすためには、自動車を製造する時、燃費を良くしたり、排気ガスを減らす技術を開発することだけでなく、自動車を使う時、無駄なアイドリングをしないなど、排気ガスを減らす努力をすることや、クリーンエネルギー車などを上手に活用することが大変重要になります。

今、自動車自体も、ガソリンと電気をうまく使い分けるハイブリッド車、クリーンディーゼル車、電気自動車、そして水素と酸素の化学反応で発電した電気を動力とする燃料電池車など様々な種類のものが開発されています。

このような新しい自動車にもその部品には材料となるプラスチックなどの石油化学製品は使われており、自動車にとっていっそう重要な役割をはたしています。

燃費の向上に貢献するプラスチック

軽さの魅力

樹脂使用率を大幅に高め軽量化したコンセプトカー

コンセプトカー

自動車工業にとって、プラスチックは、その軽さが大きな魅力のひとつです。

環境への配慮から、自動車の開発では燃費を良くするということを まず考えなくてなりません。燃費を良くするためには、エンジンの性能を上げるといった努力のほかに、ガソリン、電気、燃料電池などから、自動車を効率よく動かす技術を高めるだけでなく、車体自体を軽くすることでも貢献できます。

自動車には約3万にもおよぶ部品が使われています。このたくさんの部品の中で、様々な部品が、プラスチック化されています。

すでに2001年には全体の8.2%に乗用車1台あたり100キログラム以上のプラスチックが使われるようになっています。

これまであった部品のプラスチック化だけでなく、新しい性能を加えるために、新しい部品が加えられる場合も、できるだけ重量を増やさないために、プラスチックは歓迎されています。