環境保全への取り組み

地球環境問題は全人類の課題ですが、石油化学業界としても、真摯に取り組んでいます。
取り組みの姿勢と、環境対応製品・システムの開発について、ご紹介します。

循環型経済社会を目指して

国をあげて循環型経済社会づくりが目指されるなかで、地球と環境を考えながら、調和のとれた経済社会を創っていく姿勢が、国民一人ひとりに問われる時代となってきました。私たち石油化学業界としても、循環型経済社会の実現に向けて、リデュース・リユース・リサイクルの3R活動を積極的に進めてまいります。

リデュース(REDUCE)

限られた資源を可能な限り有効に使い、無駄な消費を控えて、最終的に廃棄する量を極力減らす取り組みです。

リユース(REUSE)

容器などの製品をくり返し再使用・再利用することによって、最終廃棄物の発生量を削減し、資源の節約をはかる取り組みです。

リサイクル(RECYCLE)

「リサイクル」は、よく耳にする言葉ですが、使えなくなった製品や材料、あるいは製造工程で出る端材などの屑を廃棄しないで、再び活用する取り組みです。
私たちの日常生活に浸透しているプラスチックの「リサイクル」には、「マテリアル・リサイクル」「ケミカル・リサイクル」「サーマル・リサイクル」の3種類があります。
「マテリアル・リサイクル」は、廃プラスチックを再びプラスチック製品に戻すことです。
「 ケミカル・リサイクル」は、廃プラスチックをガスや油、原料(モノマー)に戻して再利用することです。
「サーマル・リサイクル」は、廃プラスチックを燃焼してエネルギーを電気や蒸気として回収し、再利用することです。

3R活動

環境問題についてのQ&A

基本理念

環境問題への取り組みを教えて下さい。
私たちは、製品の開発・製造から使用・廃棄にいたる全ライフサイクルにわたる環境・安全を確保する自主活動、いわゆるレスポンシブル・ケア活動を積極的に推進することを基本に、化学会社としての責任ある配慮を心掛けています。 その成果は、環境レポートやインターネットを介して定期的に社会に提供しています。また、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14000シリーズに対しても積極的に取り組み、すでに多くの会社が取得しています。
リサイクルへの取り組みを教えて下さい。
現在プラスチックのリサイクル率は約40%です。この比率をいっそう高めるため、私たちは、マテリアル・リサイクル、ケミカル・リサイクル、サーマル・リサイクルなどさまざまなリサイクルを通して、各企業ごとはもちろん、関係諸団体とも協力し、新しいリサイクル設備や技術・用途の開発、リサイクル拠点の整備を行い、社会と共存できるプラスチックを目指し、循環型経済社会の構築を進めています。

環境保全

省エネルギー・省資源への取り組みを教えて下さい。
省エネルギーは、地球温暖化防止および資源保護の観点から、全世界的にその必要性が指摘されています。私たちは、2010年を目標に1990年比でエネルギー原単位(製品単位あたりのエネルギー使用量)10%削減を実現するため、新しい技術の開発・採用や製造プロセスの見直しなどを積極的に進めています。
ちなみに、軽くて強い素材であるプラスチックは、さまざまな製品の軽量化や耐久性の向上を通して省エネルギー、省資源に大きく役立っています。
大気、水の汚染防止への取り組みを教えて下さい。
日本の石油化学を含む化学工業では、欧米諸国と比べても早い時期から取り組んでいます。1970年からの10年間を見ても、環境保全に関し、約8000億円の費用を費やしています。
その結果、大気汚染の対象となる硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、また水の汚染度を示す化学的酸素要求量(COD)などは大幅に削減されています。また、私たちは、規制・基準を遵守するだけでなく、自主的に先取りした環境保全への取り組みも進めています。

安全管理

石油化学製品の安全管理への取り組みを教えて下さい。
私たちは、化学物質の安全性情報や排出量を管理し報告するなど、さまざまな取り組みを行っています。
たとえば、PRTRと呼ばれている「環境汚染物質・移動量登録」においては、化学物質を製造・使用している段階で、化学物質をどの程度、環境中に排出しているかを把握し、自主的に排出量の削減に努めています。
また、MSDSと呼ばれている「化学物質安全性データシート」では、それぞれの化学製品の性質や取り扱い方法について説明しています。また、工場・事業所から出る廃棄物の管理においてもマニフェスト制度を採用し、適正に廃棄物処理が行われたかどうかが確認できるようになっています。
石油化学製品の性質や安全性を知るにはどうしたらよいのでしょうか。
石油化学製品の物理化学的性質、取り扱いや保管上の注意、危険・有害性情報、また火災時の措置や応急措置などは、製造者が提供する「化学物質安全性データシート(MSDS)」に掲載されています。 

環境対応製品・システムのトピックス

私たちはこれまで培ってきた化学技術こそが環境問題を解決するキー・テクノロジーであると考え、さまざまな分野で地球環境保全のための製品・システムを開発し、社会に提供しています。最近の事例の中からご紹介します。

ケミカル・リサイクル

さまざまな廃プラスチックを、燃料油として再資源化するシステムや、水素などのガスにして工業原料とするシステムを開発し、実用化されています。さまざまな廃プラスチックを、燃料油として再資源化するシステムや、水素などのガスにして工業原料とするシステムを開発し、実用化されています。さまざまな廃プラスチックを、燃料油として再資源化するシステムや、水素などのガスにして工業原料とするシステムを開発し、実用化されています。

マテリアル・リサイクル

農業用ビニルフィルムを回収して床材や履き物材料にしたり、各種廃プラスチックから公園の遊具や運搬用パレット、また衣料品などの製品を生みだしています。
(写真提供:マック・フォトリサーチ)

多様なリサイクル

OA機器などプラスチックを含んだ機器のリサイクルや廃タイヤの再資源化事業を行っています。また、家庭から出るような一般廃棄物を固形燃料にして燃焼させ、エネルギーとして回収する事業に協力しています。

省エネルギー・省資源

自動車の軽量化による燃費の向上や、断熱効果の高いプラスチック建材の供給など、さまざまな分野でエネルギーの節減に貢献しています。
(写真提供:トヨタ自動車(株))

ダイオキシン対策

ダイオキシンを吸着除去する素材や、触媒によって分解するシステム、ダイオキシン類を簡便に測定する機器などを提供しています。

オゾン層破壊防止

オゾン層の破壊を防ぐため、フロンに替わる冷媒や洗浄剤を製品化しています。

水質汚染対策

工場や家庭から出る排水を浄化するために、高分子凝集剤などの石油化学製品が使われています。

排ガス対策

自動車やボイラーなどの排ガスを処理する触媒や装置をつくっています。

生分解性プラスチック

土壌に埋めても自然に分解していくプラスチックを製品化しています。