- アイオノマー樹脂(ionomer resin)
- エチレンを主成分とするコポリマー連鎖間に、金属イオン結合を有する特殊な共重合樹脂。ヒートシール性、深絞り性、透明性、耐油性、強靭性、耐低温性等に優れている。食品等の包装材料や各種成形品等、広範な用途に使用される。固体。
- アクリルアマイド(acrylamide)
- 紙力増強剤、土壌硬化剤、沈降促進剤等に使用される。アクリロニトリルを原料として製造される。固体。
- アクリル酸エステル(acrylic acid ester)
- アクリル酸と各種アルコールとによるエステル化物の総称。一般的にはアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシルなどがある。アクリル繊維原料、塗料、繊維・紙加工剤等に使用される。液体。
- アクリル繊維(polyacrylic fiber)
- アクリロニトリルを主成分とする重合物を紡糸した合成繊維。軟らかく毛に代わる繊維としてセーター、毛布、カーペット等に使用されている。
- アクリロニトリル(acrylonitrile)略称AN
- アクリル繊維、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン系共重合樹脂等の主要原料である。プロピレンとアンモニアを原料として製造される。液体。
- アクリロニトリル・スチレン樹脂(acrylonitrile styrene resin)略称ASまたはSAN
- スチレン系共重合樹脂の項参照。
- アクリロニトリル・ブタジエンゴム(acrylonitrile butadiene rubber)略称NBR
- アクリロニトリルとブタジエンを共重合して得られる合成ゴム。耐油性、耐熱性が優れた特殊ゴムで、耐油ホース、パッキング、印刷ロール等に使用される。固体。
- アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(acrylonitrile butadiene styrene resin)略称ABS
- スチレン系共重合樹脂。
- アセチレン(acetylene)
- クロロプレン、酢酸ビニル等の主要原料。カーバイドに水を反応させて製造されるが、天然ガス等を原料とする製法もある。気体。
- アセチレン系炭化水素(acetylenic hydrocarbon )
- CnH2n-2 分子内に三重結合をもった鎖状炭化水素で、きわめて反応性に富んでいる。アセチレンが代表的な例。
- アセテート(acetate)
- セルローズ(天然繊維)と無水酢酸を原料として製造される化学繊維。
- アセトアルデヒド(acetaldehyde)
- 酢酸、酢酸エチル等の主要原料であり、エチレンを原料として製造される。液体。
- アセトン(acetone)
- メタクリル樹脂、メチルイソブチルケトン、ビスフェノールA等の原料やアセテート等の溶剤に使用される。プロピレンを原料として製造される。液体。
- 圧縮成形法(compression molding method)
- 熱硬化性樹脂の成形に用いられる加工法のひとつ。加熱した金型に原料樹脂を入れた後、圧縮成形機を用いて金型を締め付け、化学反応を起こさせて硬化させ、成形品を取り出す。特に強度を必要とする場合や少量生産の時に用いられる。
- アニリン(aniline)
- ニトロベンゼンあるいはフェノールを原料として製造される。ウレタン原料であるMDI向けを主体に、染料、ゴム薬品、医薬品等に使用される。液体。
- アルキド樹脂(alkyd resin)
- 合成樹脂塗料または接着剤として使用される。多価アルコール(グリセリン等)と有機酸(フタール酸等)を原料として製造される。液体または固体。
- アルキルフェノール(alkyl phenol)
- プロピレン、ブチレンまたはその多量体とフェノールを原料として製造される。代表的なものに、パラオクチルフェノールやノニルフェノール等があり、界面活性剤等の原料として使用される。液体または固体。
- アルキルベンゼン(alkyl benzene)
- ノルマルパラフィンとベンゼンを原料とする直鎖アルキルベンゼン、プロピレン四量体とベンゼンを原料とするドデシルベンゼンの2種類がある。合成洗剤の原料に使用される。液体。
- アルコール(alcohol)
- 一般には、飲料用、薬用に使われるエタノールを指すが、正確にはメタノール、ブタノール、オクタノール、イソプロパノール、高級アルコール等の総称である。液体。
- アルファオレフィン(α-olefine)
- オレフィン系炭化水素のうち二重結合がαの位置(一番端の炭素と次の炭素の間)にあるものの総称。炭素数に応じて合成洗剤、界面活性剤等に使用される。また可塑剤や洗剤に使用される高級アルコールの原料となる。エチレンを重合して製造する。炭素数によって気体、液体、固体となる。
- アロマティック(aromatic)
- 芳香族系炭化水素。
- アンモニア(ammonia)
- 硫安等の窒素肥料、アクリロニトリル等の原料である。原油、ナフサ、天然ガス等から得られる水素に窒素を反応させて製造される。気体。
- 異性化(isomerization)
- 触媒等の化学的、物理的作用により化合物中の原子または基の結合の仕方を変え、分子式は同じであるが、構造式等が異なる化合物(異性体)にすること。キシレンの異性化(オルソキシレン、メタキシレンをパラキシレンにする)はその代表例。
- イソブタノール(isobutanol)
- ブタノール。
- イソブチレン(isobutylene)
- ブチルゴム、ポリブテン、MMAモノマー等の原料。ナフサ分解で副生するスペントBB及びFCCで副生するBB留分から得られる。気体。
- イソプレン(isoprene)
- イソプレンゴムの主要原料。製法には、ナフサ分解で副生するC5留分中から得る方法やイソブチレンとホルムアルデヒドを原料とする方法等が有る。液体。
- イソプレンゴム(isoprene rubber)略称IR
- イソプレンを重合して得られる汎用合成ゴム。その分子構造が天然ゴムと同じであるため性質もほとんど同じだが、天然ゴムに比べ加工性に優れ、品質も安定している。自動車タイヤ等に使用される。固体。
- イソプロパノール(isopropanol)略称IPA
- 溶剤、消毒用アルコールに使用される。プロピレンを原料として製造される。液体。
- 一般用ポリスチレン(general purpose polystyrene)略称GPPS
- ポリスチレン。
- インフレーション法(inflation method)
- 押出機を用いて合成樹脂フィルムを製造する方法のひとつ。押出機の先端に取り付けた環状のダイからチューブ状に樹脂を押し出し、まだ軟化している内に中に空気を吹き込み、薄いフィルム状になったところで冷却した後に捲き取る。ポリエチレンやポリプロピレンの薄いフィルムを製造するのに適している。
- 液晶性ポリマー(liquid crystalline polymer)略称LCP
- 一般に溶融状態で液晶性(分子が規則正しく並んだ結晶と、無秩序に並んだ液体の中間に当たる状態)を示す高分子。成形時の流動性が良く、固まるにつれて分子が剛直につながるため、強度に優れた精密成形品の素材に適しており、またプラスチックとしては耐熱性がかなり高い。なお、デジタル時計や電卓の表示盤に使用されているのは低分子の液晶。
- エタノール(ethanol)
- 化粧品、液体洗剤、医薬品、塗料関係等の化学工業用、食酢、食品防腐剤等の食品工業用、その他試薬、消毒用などに使用される。エチレンを原料とする石油化学法と糖蜜を原料とする発酵法がある。液体。
- エタノールアミン(ethanolamine)
- 界面活性剤、ガス吸収剤等の原料として使用される。エチレンオキサイドとアンモニアを原料として製造される。液体。
- エタン(ethane)
- C2H6パラフィン系炭化水素のひとつ。天然ガス、石油分解ガス等に含まれている。米国ではエチレンの主原料として用いられている。化学原料のほか、冷媒や燃料にも使用されている。気体。
- エチルアミン(ethyl amine)
- モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンと三種類があり、塗料、医薬、農薬等に使用される。エタノールとアンモニアによる製法、アセトアルデヒド、アンモニア及び水素による製法がある。液体。
- エチルベンゼン(ethyl benzene)略称EB
- スチレンモノマーの中間原料で、一般にエチレンとベンゼンを原料として製造されるが、キシレン留分からの分留によって得る方法もある。液体。
- エチレン(ethylene)
- CH2=CH2 オレフィン系炭化水素のひとつで、代表的な石油化学基礎製品。ポリエチレン、エチレンオキサイド等エチレン系製品の基礎原料。製法には、ナフサの熱分解、エタンの脱水素等がある。気体。
- エチレンオキサイド(ethylene oxide)略称EO
- エチレングリコール、界面活性剤等の原料であり、エチレンを酸化して製造される。酸化エチレンともいう。気体。
- エチレングリコール(ethylene glycol)略称EG
- ポリエステル繊維、PET樹脂、不凍液、不飽和ポリエステル樹脂等の原料。エチレンオキサイドを水和して製造される。液体。
- エチレン酢ビコポリマー(ethylene vinyl acetate copolymer)略称EVA
- エチレンと酢酸ビニルを共重合して得られる柔軟性、弾力性に富んだ樹脂。用途は酢酸ビニルの含有率によって異なり、包装資材、農業用フィルム、接着剤、一般成形品に使用される。固体。
- エチレン・プロピレンゴム(ethylene propylene rubber)略称EPTまたはEPDM
- エチレン、プロピレンと第三成分(エチリデンノルボーネン、ジシクロペンタジエン等)を共重合して得られる合成ゴムで、耐オゾン性、耐候性、耐熱性に優れている。自動車部品、電線被覆、建材等に使用される。固体。
- エピクロルヒドリン(epichlorohydrin)
- エポキシ樹脂、合成グリセリンの原料。プロピレンを原料として製造される。液体。
- エポキシ樹脂(epoxy resin)略称EP
- 成形品、接着剤、塗料等に使用される熱硬化性樹脂。最も代表的なものはエピクロルヒドリン及びビスフェノールを原料として製造される。固体または液体。
- エマルジョン(emulsion)
- 互いに混ざり合わない2種の液体のうち、一方が微粒子となって他方の液体中に分散した乳濁液のこと。酢酸ビニル系、アクリル系、塩化ビニリデン系、SBR系などのエマルジョンが代表的なものであり、塗料、接着剤、繊維、紙加工剤などに用いられる。
- エラストマー(elastomer)
- 一般にゴム類のような弾力性の顕著な高分子材料をいう。架橋タイプ(天然ゴム及び合成ゴム加硫物)と熱可塑性タイプ(熱可塑性エラストマー)がある。
- 塩化ビニリデン樹脂(vinylidene chloride resin)略称PVDC
- 塩化ビニリデンと塩化ビニルの両モノマーを共重合して得られる。この樹脂のフィルムは無色透明で気体遮断性が優れていることからハム・ソーセージ等の食品包装や家庭の冷蔵庫用ラップフィルムに使用される。固体。
- 塩化ビニル樹脂(vinyl chloride resin)略称PVC
- エチレンと塩素を原料として製造される塩化ビニルモノマーを重合して得られる代表的な熱可塑性樹脂。水道用等の各種パイプ、農業用フィルム、レザー、電線被覆、雨樋、その他各種成形品として広範な用途をもつ。固体。
- 塩化ビニルモノマー(vinyl chloride monomer)略称VCM
- 塩化ビニル樹脂及び塩化ビニル系共重合樹脂の主原料。エチレンと塩素の反応によって得られる二塩化エチレン(EDC)の熱分解で製造される。液体。
- エンジニアリング・プラスチック(engineering plastics)
- 一般の合成樹脂に比べて寸法安定性、耐摩耗性、耐熱性、機械的強度、電気的特性等に優れている合成樹脂の総称。電気・電子、自動車、事務機器等の工業製品用部品材料として使用されている。通常、歴史的経緯、需要規模等からポリアセタール、ポリアミド(6及び66)、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル(同ポリフェニレンオキサイド)を五大汎用エンプラと呼んでいる。また、物理的性質として耐熱性、機械的強度等が汎用エンプラに比べて高いものをスーパーエンプラあるいはハイテンパラチャープラスチック等という。
- 塩素化ポリエチレン(chlorinated polyethylene)
- ポリエチレンに塩素を反応させて得られる非結晶性のゴム状物質。塩化ビニル等の樹脂に配合して、難燃性、耐候性を高める。固体。
- NGL(natural gas liquefied)
- 天然ガス液と訳されるが、通常はコンデンセートあるいは天然ガソリンと呼ぶ。天然ガスには、常温・常圧下では液体であるような炭化水素を含んでいるものがある。これをセパレータと呼ばれる分離装置でガスと液体炭化水素に分離する。この液体がNGLであり、ペンタン以上の重質炭化水素の混合物である。なお、ガスはさらに分離精製することによってエタン、LNG、LPGとなる。NGLには油田系とガス田系があり、油田系NGLは性状が軽質ナフサとほぼ同等であることから軽質NGL、ガス田系NGLは灯軽油留分を多く含むため重質NGLと呼ばれている。欧米等ではエチレン用を主体とする化学原料及び製油・燃料用として使用されており、わが国でも一部使用している。なお外国ではLPGを含めプロパン以上の重質炭化水素をNGLとすることが多い。液体。
- FRP(fiber reinforced plastic)
- 繊維を補強材とする強化プラスチックの総称。最も一般的なものとして不飽和ポリエステル樹脂にガラス繊維を配合したものがある。強度に優れ、軽量であることから浄化槽、浴槽等の住宅機材、船艇、自動車、タンク類等に使用されている。固体。
- FCC(fluid catalytic cracking)
- 反応炉と触媒再生炉の間で触媒を流動させ、分解を連続的に行う方式のことで、流動接触分解と呼ぶ。一般に、高オクタン価ガソリンを製造する際に用いる。この際に副生するFCCガス中には、LPGの他、プロピレンをはじめとする有用な石油化学基礎製品が含まれており、利用されている。
- MDI(diphenyl methane diisocyanate)
- 硬質ウレタンフォーム、ウレタンエラストマー、ポリウレタン塗料などの原料。アニリン、ホルマリン、ホスゲンを原料として製造される。固体。
- LNG(liquefied natural gas)
- 液化天然ガス。主成分はメタンであり、天然ガスを精製後、加圧冷却して液化したもの。硫黄分が全く含まれていないため、クリーンエネルギーとしての利用価値が高い。各種燃料及び化学原料として使用されている。液体。
- LPG(liquefied petroleum gas)
- 液化石油ガス。主成分はプロパンまたはブタンであり、天然ガスや石油精製から得られるガスを加圧冷却して液化したもの。各種燃料及び化学原料として使用されている。液体。
- オキシクロリネーション法(oxychlorination process)
- 酸素または空気とともに塩化水素を用いて炭化水素の塩素化反応を行い、塩化物を得る反応の総称である。塩化ビニルモノマーの製法として採用されている。
- オキソ法(oxo process)
- オレフィンに一酸化炭素と水素を反応させて、飽和アルデヒドを合成する方法。通常、得られたアルデヒドは水素添加または二量化後、水素添加してアルコールに変えられるので、この工程を含めてオキソ法と称する場合が多い。例えばプロピレンを原料として、オクタノール、ブタノールを得る方法等。
- オクタノール(octanol)
- ノルマルオクタノール、イソオクタノール及び2-エチルヘキサノールを総称する。特に2-エチルヘキサノールは、塩化ビニル樹脂の可塑剤原料として重要であり、プロピレンのオキソ反応によって製造される。液体。
- 押出成型法(extrusion molding method)
- 射出成形法と並ぶ熱可塑性樹脂の代表的な加工法。溶融状態の樹脂を連続的に押し出して成形する方法。連続した断面形状をもつフィルム、シート、パイプ、ホース、電線被覆、モノフィラメント等の製造に適している。
- オフガス(off gas)
- 原油蒸留、ナフサ分解等によって副生するメタン、エタン、水素等またはこれらの混合ガスをいう。各種燃料及び化学原料として使用されている。トップガスともいう。気体。
- オルソキシレン(ortho-xylene)
- キシレン。
- オレフィン系炭化水素(olefinic hydrocarbon)
- CnH2n 分子内にひとつの二重結合を持つ鎖状炭化水素の総称。石油化学基礎製品であるエチレン、プロピレン等がこれに含まれる。
- 改質(reforming)
- 通常は、触媒を用いて重質ナフサを高オクタン価ガソリンにすることである。この装置を通称リフォーマーと呼び、得られた改質ナフサ(改質生成油ともいう)をリフォーメートという。改質することにより多量の環状炭化水素ができるため芳香族原料にも用いられる。代表的な装置にプラットフォーマー(白金を触媒とする接触改質装置)がある。
- 界面活性剤(surface active agent)
- 表面活性剤ともいい、合成洗剤の活性分や、少量で水の表面張力を下げ、潤滑剤的役割(湿潤性、浸透性、乳化性、分散性、洗浄性等)を果す化合物等の総称。界面活性剤の原料にはアルキルベンゼン、高級アルコール、エチレンオキサイド等がある。
- 架橋ポリマー(cross linked polymer)
- 多くの高分子は線状構造をもっているが、硬度等物性向上のため、この線状ポリマーの分子をお互いに化学結合させ網目構造にさせることを架橋といい、これによって得られるポリマーを架橋ポリマーという。架橋には高分子間反応によって行われるものと、架橋剤によって行われるものがある。
- 可塑剤(plasticizer)
- 合成樹脂に配合して、その加工性を容易にし、または柔軟性を付与するために使用する。代表的なものとしては塩化ビニル樹脂可塑剤のDOP(ジオクチルフタレート)等がある。
- カプロラクタム(caprolactam)
- ナイロン繊維、樹脂の原料。シクロヘキサンを原料として製造される。固体。
- カレンダー成形(calendering)
- 主として塩化ビニル樹脂の加工に用いられる成形法である。基本的にはロールによって原料樹脂を圧延し成形するもので、目的に応じてロールの本数、組合せが工夫されている。フィルム、シート、レザー、タイル等の製造に適している。
- 感光性樹脂
- 光化学反応を高分子に組み込むことによって、光エネルギーで物理的、化学的性質の変化を示す高分子材料を一般に感光性樹脂と呼ぶ。印刷材料、塗料、インキ、記録材料、超LSI等の微細加工さらには電子部品の加工等、極めて広範に用いられている。新聞等の印刷に用いられる感光性樹脂製版等は代表的な実用例である。
- 環状炭化水素(cyclic hydrocarbon)
- 炭素原子が環状をなして結合しているもので、芳香族系炭化水素、ナフテン系炭化水素がその代表的なものである。
- ガスオイル(gas oil)
- 軽油留分のこと。原油を常圧蒸留して得られるものと、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られるもの(VGO:ヴァキュームガスオイル)とがある。各種燃料及び化学原料として使用される。液体。
- キシレン(xylene)
- C6H4(CH3)2 ナフサの改質油あるいはナフサ分解によってエチレンと併産される分解油から抽出または分留される。通常、混合キシレンと呼ばれ、三種の異性体(o-、m-、p-)及びエチルベンゼンの混合物であり、異性体分離によってo-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼンが、また脱アルキル化によってベンゼンが得られる。キシレン自体は塗料、印刷インキ、農薬等の溶剤に使用される。液体。
- オルソキシレン(ortho-xylene)
混合キシレンに10~20%含まれており、蒸留によって回収される。通常、混合キシレンからp-キシレンを製造する前段の工程で製造される。無水フタル酸、キシリジン等の原料となる。液体。 - パラキシレン(para-xylene)
混合キシレンに10~20%含まれており、これを抽出して得る方法と、同じく混合キシレンに含まれるo-キシレン、m-キシレンの異性化によって得る方法がある。テレフタル酸、DMTの原料に使用される。液体。 - メタキシレン(meta-xylene)
混合キシレンに30~45%含まれており、これを分離して得られる。混合キシレン中に最も多量に含まれている成分であり、イソフタル酸原料として使用されている。一般的には混合物のままで異性化してp-キシレン等として回収されている。液体。
- オルソキシレン(ortho-xylene)
- キュメン(cumene)
- フェノールの中間製品であり、プロピレンとベンゼンを反応させて製造する。液体。
- 共重合(copolymerization)
- ポリエチレンのように同一の単量体を重合する製法に対して、二種類以上の単量体を重合することを一般に共重合といい、これによって得られたものを共重合体(コポリマー)と呼ぶ。共重合体には、エチレンとブテン-1の共重合によって得られる直鎖状低密度ポリエチレンのように二種類の単量体を用いる二元共重合体(copolymer)と、アクリロトリル、ブタジエン、スチレンの共重合によって得られるABS樹脂のように三種類の単量体を用いる三元共重合体(terpolymer)がある。
- クレゾール(cresol)
- フェノール樹脂原料、農薬、可塑剤、消毒用等に使用される。従来はコールタールから得られていたが、現在はトルエンとプロピレンを原料とする製法が主流となっている。
- グレード(grade)
- 本来、階級、等級などを意味する英語。同一品種の合成樹脂及びゴムにおいて密度や溶融点の差などにより区別する際に使われている。日本は用途別にきめ細かな品揃えがなされており、諸外国に比べこれらのグレード数は非常に多い。
- クロロプレンゴム(chloroprene rubber)略称CR
- アセチレンまたはブタジエンを原料とするクロロプレンモノマーを重合して得られる特殊合成ゴム。耐候性、耐熱性、耐油性等に優れ電線被覆、ゴムベルト、自動車部品、接着剤等に使用される。固体。
- グリコールエーテル(glycol ether)
- 塗料等各種溶剤に使用される。エチレンオキサイドとアルコールを原料とする。液体。
- グリセリン(glycerine)
- アルキド樹脂、医薬、ダイナマイト原料として使用される。従来は石ケン製造の際に副産物として得られたが、現在はプロピレンから誘導される合成グリセリンが主流を占めている。液体。
- 高級アルコール(higher alcohol)
- 炭素数が6ヶ以上のアルコールをいい、合成洗剤、可塑剤等の原料に使用される。従来は抹香鯨油あるいはヤシ油等を原料にしていたが、現在はエチレン、プロピレン等各種オレフィンを原料として製造されるものが主流となっている。液体。
- 高吸水性樹脂(super absorbent polymer)略称SAP
- 水と接触すると短時間に吸水、膨潤し、水全体をゲル化させる性質をもつ高分子。吸水力は数百倍、高いものになると千倍に達する。デンプン系、カルボキシメチルセルロース系、ポリアクリル酸系、ポバール系等に分類される。生理用品、紙オムツ等使い捨ての衛生用品に応用されているほか、土壌保水剤等の農業用途の開拓が進められている。固体。
- 高分子(high polymer)
- 分子量がきわめて大きい化合物(1万を超えるようなもの)の総称で、このような分子を高分子または巨大分子という。
- 高密度ポリエチレン(high density polyethylene)略称HDPE
- ポリエチレン。
- コポリマー(copolymer)
- 2種以上の異なったモノマーの共重合によって生成したポリマーをいう。1種だけのモノマーの重合によるホモポリマーと対比していう語。なお、2種のモノマーからなるものを単にコポリマー、これに対し3種のモノマーからなるものをタ-ポリマーと区別していうことが多い。
- コンパウンド(compound)
- 目的に応じたグレードにするため、製造プラントから直接得られる合成樹脂(ストレートポリマー、ニードポリマー、ベースポリマー等と呼ばれ、粉末状である場合が多い)に可塑剤、充填剤、着色剤、安定剤等を加えて混練することを一般にコンパウンディングといい、このような配合処理によってできたものを単にコンパウンドと呼ぶ。合成樹脂は通常、そのまま加工に使用できる完成コンパウンドの状態(ペレット)で販売されている。ポリエチレン、ポリプロピレンはその代表例で、合成樹脂メーカーが配合処理を行って加工メーカー等に供給している。ほとんどの場合エンジニアリングプラスチックも同様にして供給されているが、合成樹脂メーカーから配合処理前のポリマーがコンパウンダーに供給され、そこで完成コンパウンドにされて市場に流れているケースもあり、PPS等で多くみられる。また、塩化ビニル樹脂のように加工産業で独自配合されるのが通常となっているものもある。
- 酢酸(acetic acid)
- 酢酸ビニル、アセテート等に使用される。アセトアルデヒドを原料とする製法とメタノールを原料とする製法等がある。液体。
- 酢酸エチル(ethyl acetate)
- 溶剤、香料等に使用される。アセトアルデヒドを原料として製造される。液体。
- 酢酸ビニル(vinyl acetate)略称VAM
- 主用途はビニロンの原料であるポバール用だが、酢酸ビニルの重合物は塗料、接着剤等に使用される。またエチレンや塩ビモノマーとの共重合樹脂の原料となる。エチレンまたはアセチレンと酢酸により製造される。液体。
- 酢酸ブチル(butyl acetate)
- 溶剤、抽出剤等に使用される。酢酸とブタノールから製造される。液体。
- 鎖状炭化水素(chain hydrocarbon)
- 炭素が鎖状に結合しているもので、脂肪族炭化水素ともいう。鎖状炭化水素は次のように分けられる。
(イ)飽和炭化水素(パラフィン系炭化水素)CnH2n+2の分子式をもつ。メタン、エタン、プロパン等。
(ロ)不飽和炭化水素
有機合成原料として最も重要なものである。
(a)オレフィン系炭化水素
CnH2nの分子式をもつ。エチレン、プロピレン等。
(b)ジオレフィン系炭化水素
CnH2n-2の分子式をもつ。ブタジエン等。
(c)アセチレン系炭化水素
CnH2n-2の分子式で三重結合をもつ。アセチレン等。 - 酸化エチレン(ethylene oxide)略称EO
- エチレンオキサイド。
- 酸化プロピレン(propylene oxide)略称PO
- プロピレンオキサイド。
- 四塩化炭素(carbon tertrachloride)
- フレオン製造用、消火剤、不燃性溶剤等に使用される。プロピレンを塩素化してパークロルエチレンを製造する際に併産される。液体。
- シクロヘキサン(cyclohexane)
- カプロラクタム、アジピン酸等の原料であり、溶剤としても使用される。ベンゼンを水素添加して製造される。液体。
- 射出成形法(injection molding method)
- 熱可塑性樹脂の代表的な加工法。成形機のシリンダー内で溶融された原料樹脂を固く閉じた金型の中に注入し、冷却後に取り出す。コップ、バケツ等の日用雑貨品、コネクター、ギヤ等の工業部品、家電製品等のハウジングのほか、医療用品等きわめて広範に適用されている。単純形状の成形品に留まらず、形状や構造が複雑な成形品の製造を行う精密射出成形法のほか、OA機器のキートップのように文字部分と台の部分を異なる色あるいは樹脂で成形する方法に代表される二色成形法などがある。
- シェールガス(shale gas)
- 泥岩に含まれる天然ガス。非在来型天然ガスの一種。在来型との違いは、貯留層が砂岩でなく、泥岩(頁岩)である点にある。泥岩の中で、特に、固く、薄片状に剥がれやすい性質をもつシェール(頁岩)に含まれることから、シェールガスと呼ばれる。
- 触媒(catalyst)
- それ自体は変化しないで、他の物質の化学変化の速さに影響を及ぼす物質。
- 真空成形法(vacuum molding method)
- 熱可塑性樹脂の成形法の一種で硬質塩ビ、ポリスチレン等のシートを型の上で加熱軟化させ、シートと型の間の空気を抜き取る。電気冷蔵庫の内張り等の成形に適している。
- 深冷分離(low temperature separation)
- 沸点の差により低温で分離すること。例えばナフサを分解し、そのガス中からエチレンを分離する際は-100℃以下で深冷分離する。
- ジアリルフタレート樹脂(diallyl phthalate resin)略称DAPまたはPDAP
- プロピレンに塩素を反応させて得られるアリルクロライドとフタル酸ソーダを反応させてモノマーを製造し、これを重合して高重合度のポリマーとする。電気的特性、耐薬品性、寸法安定性に優れ、主として電気・電子及び通信機器のコネクター等の工業部品に使用されているほか、化粧合板用シートに使われている。固体。
- ジエチレングリコール(diethylene glycol)
- 合成樹脂や有機合成品の原料となるほかセメントの粉砕助剤等に使用される。エチレングリコールの製造の際に副生する。液体。
- 重合(polymerization)
- 分子量の比較的小さい化合物が結合して大きな分子量の化合物になることを重合という。例えば、ポリエチレンはエチレンという単量体が数千から数万結合してできた重合体である。このように同一の単量体を重合したものをホモポリマー(homopolymer)という。
- C5留分
- ナフサ分解によって副生する。合成ゴム原料に使用されるイソプレンを15~20%程度含有している。イソプレン抽出後のC5留分にはジシクロペンタジエン、ピペリレン等の有効留分が含まれており、石油樹脂、香料等の原料に使用されている。
- C4留分
- BB留分。
- 水素化(hydrogenation)
- ある化合物に水素を添加すること。例えば、ナフサ分解によってエチレン等を製造する際に副生するアセチレンあるいは不純物として含まれている硫黄等に水素を添加して、これを除去することをいう。水素添加を略して水添ともいう。
- スチレン系共重合樹脂
- ポリスチレンの性質を改良するため、スチレンモノマーとアクリロニトリル、ブタジエン等の他の単量体と共重合した合成樹脂をいう。代表的なものとしてはスチレンモノマーとアクリロニトリルの共重合樹脂(AS樹脂)、スチレンモノマーとブタジエンおよびアクリロニトリルの共重合樹脂(ABS樹脂)等がある。固体。
- スチレン・ブタジエンゴム(styrene butadiene rubber)略称SBR
- スチレンモノマーとブタジエンを共重合させて製造する最も代表的な汎用合成ゴム。天然ゴムに比べ耐老化性、耐熱性、耐摩耗性などが優れている。自動車タイヤをはじめ、履物、工業用品、ゴム引布等に使用される。固体。なお、このゴムのラテックス(乳液状)は紙のコーティング剤や繊維処理剤等として重要な役割を果たしている。
- スチレンモノマー(styrene monomer)略称SM
- ポリスチレン、合成ゴム(SBR)等の原料である。エチレンとベンゼンを原料とするが、キシレンより分離されたエチルベンゼンからも製造される。液体。
- スペントBB
- BB留分。
- 積層成形法(lamination)
- 合成樹脂を紙、布、ガラス布に含浸させたものを圧縮成形して製品にする成形法であり、主として熱硬化性樹脂による化粧板の製造に用いられる。
- 石油樹脂(petroleum resin)
- ナフサを分解した際の炭素数の多い不飽和化合物を重合したもので、C5留分を原料とする脂肪族系とC9留分を原料とする芳香族系とがある。松やにの代替品として塗料用をはじめ紙サイズ剤、ゴムや印刷インキの粘着増進剤等に使用される。固体
- 耐衝撃性ポリスチレン(high impact polystyrene)略称HIPS
- ポリスチレン。
- 炭化水素(hydrocarbon)
- 炭素と水素の化合物である。炭化水素は鎖状炭化水素と環状炭化水素とに分けられる。それぞれ。
- 炭素繊維(carbon fiber)
- グラファイト状の炭素からできた高強度、高剛性等の特性に優れた繊維。アクリル繊維等を炭化させ製造するポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維が市場開拓において先行している。釣り竿、ゴルフシャフト、ラケット等、高級スポーツ用品への利用が一般化しているほか、航空・宇宙分野で高強度・高耐熱・軽量構造材料として実用化されている。また、石油や石炭のピッチを原料とする炭素繊維もあり、都市ガスの導管、継手、ロボット部品、ビル用建築資材への利用が進展している。
- 単量体(monomer)
- モノマー。
- 第2級ブタノール(secondary butanol)
第3級ブタノール(tertiary butanol) - ブタノール。
- 脱アルキル(dealkylation)
- 有機化合物中のアルキル基が元の分子から脱離する反応の総称。トルエンやキシレンのアルキル基を水素で置換してベンゼンを得る製法、改質油や分解油をそのまま脱アルキル化してベンゼンを得る製法等がある。
- 脱水素(dehydrogenation)
- 目的とする製品を得るために原料である有機化合物から水素を取り除くことをいう。例えばエチルベンゼンを脱水素すればスチレンモノマーが製造される。
- 中空成形法(blow molding method)
- プラスチックボトルや容器類のように中が空洞の成形品を製造する際に用いられる最も代表的な成形法。まずパリソンと呼ばれるパイプ状の成形品を加工し、これに空気を吹き込んで最終成形品とするのが基本で、押出機で底のないパイプ状のパリソンを成形し、2つ割りの金型で挟み込んでパリソンに底を付け空気で膨らませる押出ブロー成形と、射出成形によって底のあるパリソンを成形し、金型の中で空気を吹き込んで成形する射出ブロー成形とがある。洗剤、シャンプー、清涼飲料等のボトルから灯油缶のような比較的大きな容器の製造まで幅広く用いられている。
- 注型(casting)
- 型あるいは他の製品中に液状の原料樹脂を入れ、硬化させて製品とする成形法。使用される原料樹脂は限られており、熱可塑性樹脂ではメタクリル樹脂、ナイロン6樹脂等容易に塊重合が行われるもの、また熱硬化性樹脂では常温で硬化する不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂に限られている。
- 直鎖アルコール(linear alcohol)
- C10以下は可塑剤、C12以上は洗剤として使用される。直鎖オレフィンのオキソ反応により製造される。液体または固体。
- 直鎖状低密度ポリエチレン(linear low density polyethylene)略称L-LDPE
- ポリエチレンの項参照。
- Tダイ法
- 押出機を用いて合成樹脂フィルムを製造する方法のひとつ。押出機の先端に取り付けたスリット状のダイから樹脂を押し出してフィルムを製造する方法。
- 低密度ポリエチレン(low density polyethylene)略称LDPE
- ポリエチレン。
- テレフタル酸(terephthalic acid)略称TPAまたはPTA
- ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)の原料。パラキシレンを原料とする。固体。
- テレフタル酸ジメチル(dimethyl terephthalate)略称DMT
- ポリエステル繊維の原料であり、テレフタル酸とメタノールを反応させて得る製法と、パラキシレンから直接メタノールを使用して生産する製法がある。固体。
- 添加剤(additives)
- 一般に製品の物性改良のために加えられる物質。特にプラスチックでは成形加工が行い易いようにしたり、製品の性質を向上させるために安定剤、可塑剤、帯電防止剤等が目的に応じて使用されている。
- TDI(tolylene diisocyanate)
- ポリウレタンの原料である。トルエンとホスゲンを原料として製造される。液体。
- トリクロルエチレン(trichloroethylene)
- 金属の脱グリース等に使用される。エチレンと塩素を原料とする。液体。
- トルエン(toluene)
- ナフサの改質油あるいはナフサからエチレンを製造する際に併産する分解油から抽出される。溶剤、TDI、合成クレゾール等の原料。またトルエンを原料とするベンゼンの生産も行われている。液体。
- ナイロン(nylon)
- ポリアミドの項参照。
- ナフサ(naphtha)
- 石油化学の出発原料。原油を常圧蒸留した際、沸点範囲が30℃から170℃位の温度範囲で得られる軽質留分がこれに該当する。蒸留範囲の違いによって軽質ナフサ、重質ナフサ、この両者を含むフルレンジナフサに大別される。これらの留分は揮発油でもあり、粗製ガソリンとも呼ばれる。比重は0.7前後。液体。
- ナフサ分解(naphtha cracking)
- エチレン等の石油化学基礎製品を生産する方法で800℃程度に加熱されている管状炉中に原料ナフサを水蒸気とともに通して熱分解する。
- ナフテン系炭化水素(naphthenic hydrocarbon)
- CnH2n 分子が環状に配列した飽和炭加水素の総称である。例えばシクロヘキサン、シクロベンタン等をいう。
- 2-エチルヘキサノール(2-ethyl hexanol)
- オクタノールの項参照。
- 二塩化エチレン(ethylene dichloride)略称EDC
- 塩化ビニルモノマーの原料をはじめ、溶剤、抽出剤等に使用される。エチレンと塩素を原料として製造される。液体。
- 二軸延伸(biaxial orientation)
- フィルムやシートを融点以下の温度で、縦方向と横方向に引き伸し、分子を二軸配向させる操作をいう。この操作を行うと縦横の引張り強さが著しく増大し、強靭な製品ができる。代表的な例として、二軸延伸ポリスチレンシートや二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)があげられる。
- 尿素(urea)
- 肥料または尿素樹脂原料である。アンモニアと炭酸ガスを原料とする。固体。
- 尿素樹脂(urea resin)略称UF
- ユリア樹脂の項参照。
- 熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastmer)略称TPE
- 常温ではゴム弾性を示すが、高温では可塑化され、合成樹脂加工機械で成形可能な高分子材料のこと。主成分によってオレフィン系(TPO)、スチレン系(TPS)、エステル系(TPEE)、ウレタン系(TPU)、アミド系(TPEA)、塩化ビニル系(TPVC)等がある。TPEの歴史は古いが開発・改良の余地は多く、他ポリマーとのブレンドによりプラスチックへ弾性を付与する方向、加硫ゴム分野への適用、耐熱性等の物理的性質を改良した新規グレードの開発といった3つの方向で市場開拓が進められている。すでに市場で一定の評価を得ているものとしては、PP-EPDMブレンドのTPOがあり、自動車バンパー用に大量消費されている。
- 熱可塑性樹脂(thermoplastic resin)
- 加熱すれば軟らかくなり、冷えれば元に戻る性質をもつ樹脂。ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂等がこれに属する。
- 熱硬化性樹脂(thermosetting resin)
- 加熱により一旦硬化すれば再び軟かくならない性質をもつ樹脂。フェノール樹脂、メラミン樹脂等がこれに属する。
- ノニルアルコール(nonyl alcohol)
- 可塑剤、香料、界面活性剤等の原料。ノナノールともいう。イソノニルアルコールも同種の製品。これらは、イソブチレンあるいはノルマルブテンの二量化で得られるジイソブチレンあるいは混合オクテンのオキソ化によって得ることができる。液体。
- ノニルフェノール(nonyl phenol)
- 界面活性剤の原料として使用される。プロピレンの重合体であるノネンとフェノールを原料にして製造される。液体。
- ノルマルパラフィン(normal paraffin)
- アルキルベンゼン、高級アルコール、可塑剤等の原料。灯軽油から分離抽出される炭素数10~15程度のパラフィン系炭化水素。液体。
- ハイスチレンゴム(high styrene rubber)
- ブタジエン系合成ゴム(SBR)のうちハイスチレンゴムはスチレンモノマーの含有量の高い(通常は50%以上)合成ゴムをいう。性質は耐摩耗性に富む。固体。
- ハイドロキノン(hydroquinone)
- ベンゼン及びプロピレンを用いてキュメン(イソプロピルベンゼン)を得、これからフェノールを合成する際に副生する2,4-ジイソプロピルベンゼンを酸化して得られる。写真現像薬が主な用途で、このほかゴム薬品、染料中間原料等に用いられる。固体。
- 発泡成形法(structual foaming)
- 原料樹脂にガスを発生する発泡剤を混入あるいは金型内にガスを直接注入する等の方法により発泡体の成形品を得る成形法。射出発泡成形、押出発泡成形等がある。発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等を用いたものが代表的であるが、ポリエチレン、フェノール樹脂、エンジニアリングプラスチック等を用いる例もある。
- 発泡ポリエチレン(foamed polyethylene)
- ポリエチレンを発泡させたもので、包装緩衝材、建材、断熱材、自動車部品、浮揚材等に使用される。固体。
- 発泡ポリスチレン(foamed polystyrene)略称FSまたはEPS
- ポリスチレンの発泡体。スチレンモノマーと発泡剤(ペンタン等)を原料として重合し製造する方法と、ポリスチレンに発泡剤を含浸させて製造する方法がある。断熱保冷材、包装材料(トレイ、緩衝材等)、魚箱等に使用する。固体。
- パークロルエチレン(perchloroethylene)
- 溶剤、ドライクリーニング用に使用される。エチレンまたはプロピレンを塩素化して得られる。液体。
- パラキシレン(para-xylene)
- キシレン。
- パラフィン系炭化水素(paraffinic hydrocarbon)
- CnH2n+2 炭素が鎖状に並んでいる飽和炭化水素でメタン、エタン、プロパン等がその代表例。
- ビスフェノールA(bisphenol-A)
- エポキシ樹脂、ポリカーボネートの原料。アセトンとフェノールを原料とする。固体。
- ビニロン(vinylon)
- 酢酸ビニルから誘導されたポリビニルアルコールを原料とする合成繊維。やや硬い綿の感じをもつ繊維で学生服、作業服、魚網、ロープ等に使用されている。
- BB留分(butane-butene fraction)
- ナフサ分解及びFCCで副生するガス中に含まれるブタン・ブチレン留分。主としてブタジエンの抽出原料として使用され、ブタジエン抽出後のスペントBBはイソブチレン、ブテン-1 の抽出用及びポリブテンの原料等に用いられている。C4留分ともいう。気体。
- フェノール(phenol)
- 石炭酸ともいう。フェノール樹脂、農薬等の原料に使用される。ベンゼンとプロピレンから得られキュメンを原料として製造される。固体。
- フェノール樹脂(phenolic resin)略称PF
- 絶縁プリント配線基板、印刷回路基板等の積層板、工業部品及び食卓用品用成形材料、合板用接着剤、絶縁ワニス等に使用される。フェノールとホルマリンを原料とする。別名ベークライトともいう。固体。
- 複合材料(composite material)
- マトリックス(母材)を強化材料によって強化し、性能の向上を図った材料の総称である。したがって、合成樹脂に限らず、マトリックスに金属を用い炭素繊維等で強化した材料(略称FRM)等も含まれる。合成樹脂系複合材料としては、早くからマトリックスに熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を用い、ガラス繊維をはじめマイカ等の無機物、金属粉末等の強化材によって複合化したもの(一般にマトリックスに熱硬化性樹脂を用いたものをFRP、熱可塑性樹脂を用いたものをFRTPという)が市場に供給されてきた。これらの材料において、例えばガラス繊維は単に補強材として混入するという比較的単純な発想から用いられており、剛性があまり出ない。これに対して、炭素繊維の開発、実用化を契機に登場してきた炭素繊維強化材料(マトリックスが熱硬化性樹脂のものを一般にCFRP、熱可塑性樹脂のものをCFRTPという)、さらにはボロン繊維、アラミド繊維等との複合強化材料等が開発され、これらを先進(先端)複合材料と呼ぶようになってきた。マトリックス樹脂には、主として不飽和ポリエステルのほかエポキシ樹脂、ビニルエステル、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサル フォン等が用いられる。なお、ポリマーアロイ、ポリマーブレンドなども複合材料の範ちゅうに入る。
- フッ素樹脂(fluoroplastic)
- 分子中にフッ素原子を含有する樹脂の総称。四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)等がある。耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、非粘着性、低摩擦性等に優れ、化学・食品工業装置、電気・電子工業部品、航空・宇宙産業用等に使用されている。固体または液体。
- 不飽和ポリエステル樹脂(unsaturated polyester resin)略称UP
- プロピレングリコールあるいはその他のグリコール類と有機酸及びスチレンモノマーを原料として製造される。化粧板、建材、浴槽等に使用される。固体。
- ブタジエン(butadiene)
- CH2=CH-CH=CH2 合成ゴム等の原料。ナフサ分解で副生するBB留分から得られる。気体。
- ブタジエンゴム(butadiene rubber)略称BR
- ブタジエンを重合して製造される汎用合成ゴム。SBRや天然ゴムに比べ耐摩耗性、弾力性、低発熱性が優れている。自動車タイヤ、ベルト、履物、プラスチックブレンド用等に使用される。固体。
- ブタジエン樹脂(syndiotactic 1.2-polybutadiene)
- ブタジエンを重合して製造されるもので、ゴムと樹脂の物性を兼備している熱可塑性エラストマー。フィルム、各種はきもの、工業用品等に使用されている。固体。
- ブタジエン・スチレン・メチルメタクリレート樹脂(methyl methacrylate-butadiene-styrene resin)略称MBS
- ブタジエン、スチレン、メチルメタクリレートを主原料とする共重合体。主に塩化ビニル樹脂の耐衝撃性を改良する改質剤として使用されている。固体。
- ブタノール(butanol)
- ブタノールにはプロピレンを主原料とするノルマルブタノール及びイソブタノール、ブチレンを主原料とする第2級ブタノール及び第3級ブタノールがある。それぞれの主用途は、ノルマルはアクリル酸ブチル、塗料、可塑剤等、イソは塗料溶剤、第2級はメチルエチルケトン、第3級はメチルメタアクリレート等。液体。
- ブチルゴム(butyl rubber)略称IIR
- イソブチレンと少量のイソプレンを共重合して得られる特殊合成ゴム。ガス不透過性がきわめて高いため自動車、自転車等のチューブ類に使用されている。固体。
- ブチレン(butylene)
- ブチルゴム等の原料。ナフサ分解及びFCCで副生するBB留分から得られる。気体。
- ブテン-1(butene-1)
- スペントBB留分から抽出される。直鎖状低密度ポリエチレンのコモノマー等に使用される。液体。
- ブレンディング(blending)
- 一般に二種類以上のポリマーを混合する作業あるいは安定剤等と混合する作業のことをブレンディングという。コンパウンディングと同一のことを意味している場合も多い。
- 分解重油(cracked heavy oil)
- ナフサ分解によってエチレンと併産される。ナフサ分解留分の中では最も沸点温度が高い重質留分である。カーボンブラック等の原料及び燃料に使用される。エチレンボトムともいう。液体。
- 分解油(cracked oil)
- ナフサ分解によってエチレンと併産される。芳香族系炭化水素の含有量が高く、ベンゼン、トルエン、キシレンの抽出原料である。分解ガソリン(pyrolysis gasolin)ともいう。液体。
- プロピレン(propylene)
- CH3CH=CH2 ポリプロピレン、アクリロニトリル、フェノール等プロピレン系製品の基礎原料。ナフサ分解によってエチレンと併産される。また、FCCの副生ガスからも得られる。気体。
- プロピレンオキサイド(propylene oxide)略称PO
- プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の原料。プロピレンと塩素を原料とする製法、プロピレンを過酢酸あるいはエチルベンゼンの過酸化物で直接酸化する製法等がある。酸化プロピレンともいう。液体。
- プロピレングリコール(propylene glycol)略称PG
- 不飽和ポリエステル樹脂、化粧品等に使用される。プロピレンオキサイドの水和によって得られる。液体。
- ベンゼン(benzene)
- C6H6 芳香族系炭化水素の代表的な製品でスチレンモノマー、シクロヘキサン、フェノール、アルキルベンゼン等の主原料である。ナフサの分解油もしくは改質油からの抽出、石炭ガスから回収される粗軽油の蒸留、トルエンの脱アルキル等の製法がある。液体。
- ペンタエリスリトール(pentaerythritol)
- アルキド樹脂の原料として用いられる。ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドから製造される。固体。
- 芳香族炭化水素(aromatic hydrocarbon)
- 構造中にベンゼン核をもつ炭化水素をいい、ベンゼン、トルエン、キシレン等がその代表例である。
- ホルマリン(formaline)
- フェノール、尿素、メラミン等の合成樹脂原料あるいは合成繊維原料、防腐剤、各種有機合成原料等に使用される。メタノールを原料として製造される。ホルムアルデヒドの37%水溶液である。液体。
- ポリアセタール(polyacetal)略称POM
- ホルムアルデヒドの重合体。バランスのとれた機械的性質をもち、特に耐疲労性に優れた結晶性の熱可塑性樹脂。電気・電子、事務機器具、自動車等の部品に多用される。固体。
- ポリアミド(polyamide)略称PA
- 酸アミド結合の繰り返しによって主鎖を構成する結晶性高分子の総称で、一般的にナイロンと呼ばれている。ナイロンは強靭で耐摩耗性や耐薬品性等に優れ、溶融紡糸した合成繊維は絹の感じをもち、婦人服や靴下等に使用されるほか産業資材にも利用されている。また、エンジニアリングプラスチックとして成形品にも用いられている。固体。
- ナイロン6 略称PA6
ε-カプロラクタムの開環重合体。電気・電子、事務機器、自動車、建材等の部品及び家庭用品等、広範に使用される。工業部品に代表される射出成形用途に加えて、フィルム、モノフィラメントに代表される押出成形用途があり、主として包装資材・雑貨市場に供給されている。 - ナイロン66 略称PA66
ヘキサメチレンジアミン水溶液に等量のアジピン酸を加えて得られるナイロン塩水溶液(AH塩)の重縮合体。ナイロン6に比べて融点が高いため耐熱性に優れているほか、弾性率、寸法安定性が良好。用途はナイロン6とほぼ同じであるが、相対的に自動車部品のウェートが高く、特にワイヤーハーネス・コネクターに実績がある。 - ナイロン11 略称PA11
11-アミノウンデカン酸の重縮合体。ナイロン12に比べて吸湿性がやや大きく融点が若干高い点を除けば性質は類似している。用途もほぼ同じ。 - ナイロン12 略称PA12
ポリアミドの中では最も低密度であり、ナイロン6及び66に比べて融点、吸水性が低く、耐寒衝撃性に優れている。可塑剤による柔軟化も可能。用途は押出成形品と射出成形品及びコーティング用途に大別され、押出成形ではホース・チューブ、射出成型ではスキーブーツや各種スポーツシューズの靴底やサイレントギヤ等の精密成形品が代表的な用途。 - ナイロン610
ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との重縮合体。高湿度下での強度低下が小さく、モノフィラメントに成形されて歯ブラシのブラシ等に使用されている。 - ナイロン612
カプロラクタムとラウリルラクタムとの重縮合体。主として接着剤に使用される。 - 共重合ナイロン
カプロラクタムとAH塩との共重合体。カプロラクタムとAH塩の組成の割合によって性質が異なり、用途に応じて使い分けられている。
- ナイロン6 略称PA6
- ポリアリレート(polyalylate)略称PAR
- 二価フェノールと二塩基酸との重縮合物であるが、一般には二価フェノールと芳香族ジカルボン酸とのポリエステルとして全芳香族ポリエステル系樹脂に分類されている。耐熱・耐候・耐衝撃性に優れた透明性の非晶性樹脂。電気・電子、自動車等の工業部品、医療製品等に使用されている。固体。
- ポリイソブチレン(polyisobutylene)略称PIB
- 電気絶縁材、コーキング材、紙、ゴム、プラスチックの改質材等に使用される。イソブチレンを重合して製造される。液体または固体。
- ポリイミド(polyimide)略称PI
- イミド基をもつ合成樹脂の総称をイミド系樹脂という。ポリイミドはその代表的な樹脂で、通常全芳香族ポリイミドと呼ばれており、オキシジアニリン(ODA)とピロメリット酸(PMDA)から成るものが最も有名。耐熱性が特に優れており、電気・電子機器、精密機械等の部品に使用されている。固体。
- ポリウレタン(polyurethane)略称PUR
- ウレタン結合、-NH・CO・O-を持つ高分子化合物。ポリエーテルまたはポリエステルとイソシアネート(TDIまたはMDI)を原料として製造される。主に硬・軟質のウレタンフォームとして使用されているほか、塗料用樹脂としての実績も高い。硬質ウレタンフォームは断熱・保冷材料として車両、船舶、冷凍機器、電気冷蔵庫、自動販売機等に、軟質ウレタンフォームは輸送車両シート及び家庭用ソファー、ベッド、マットレス等のクッション材料として使用されている。固体または液体。
- ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone)略称PEEK
- 芳香族系の直鎖状高分子で熱可塑性の結晶性樹脂である。熱可塑性樹脂の中では最高レベルの耐熱性をもち、電線被覆、工業部品を中心とする射出成型品に使用されている。固体。
- ポリエーテルサルフォン(polyether sulfone)略称PES
- 芳香族ポリサルフォン系樹脂のひとつ。ジクロロジフェニルサルフォンを主原料に縮重合反応によって得られる非晶性樹脂。ポリサルフォンがコポリマーであるのに対して、ポリエーテルサルフォンはホモポリマーである。耐熱性、耐加水分解性に優れ、各種工業部品に使用されている。固体。
- ポリエステル繊維(polyester fiber)
- テレフタル酸あるいはDMTとエチレングリコールによって製造されるポリエチレンテレフタレート樹脂を溶融紡糸した合成繊維。綿に代わるものとして衣料品、産業用に最も多く使用されている繊維。
- ポリエチレン(polyethylene)略称PE
- 石油化学製品を代表する熱可塑性樹脂。エチレンを重合させて製造されるが、一般的にその密度が0.94未満のものを低密度ポリエチレン、以上のものを高密度ポリエチレンという。低密度ポリエチレンはフィルム、ラミネート、電線被覆などに使用され、高密度ポリエチレンは洗剤や灯油缶等の中空容器、フィルム、コンテナー等に使用される。また低密度ポリエチレンの製造は従来1,000気圧以上の高圧のもとで行われていたが、エネルギー消費が少ない中低圧でエチレンとブテン-1などのコモノマーを共重合させ、低密度ポリエチレンと類似した性質をもつ直鎖状低密度ポリエチレンの製法が開発され、現在日本では低密度ポリエチレンのうち4割近くがこの製法により生産されている。固体。
- ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)
- 界面活性剤、医薬品等に使用される。エチレンオキサイドを原料とする。液体。
- ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)略称PETまたはETP
- テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを出発原料とするテレフタル酸ジメチル法(エステル交換反応)、あるいはテレフタル酸とエチレングリコールを出発原料とする直接重合法(直接エステル化法)によって得られるビスヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)の重縮合体。PBTと同じ結晶性の熱可塑性飽和ポリエステル樹脂のひとつ。未強化グレードと強化グレードに大別され、前者はオーディオやVTRなどの磁気テープ、パーソナルコンピュータ等の記録媒体であるフロッピィーディスク等に大量消費されているほか、最近は清涼飲料、調味料、洗剤等の各種容器に使用されている。一方、後者はガラス繊維強化グレードとして各種工業部品に使用されている。固体。
- ポリオレフィン(polyolefine)
- オレフィン系炭化水素を原料とする合成樹脂の総称。通常、エチレン、プロピレンを主原料とする低・高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性汎用合成樹脂を指しているが、アイオノマー樹脂、ポリブテン、またメチルペンテンポリマー等もポリオレフィンに属する。
- ポリカーボネート(polycarbonate)略称PC
- ビスフェノールAとホスゲンを原料として生産される耐衝撃性、寸法安定性に優れた非結晶性の熱可塑性樹脂。電気機器やカメラ等の部品に使用される。固体。
- ポリサルフォン(polysulfone)略称PSU
- 分子内に-SO2-結合をもつ非晶性の合成樹脂。芳香族系とアルキル系に大別され、通常エンジニアリングプラスチックとして供給されているのは芳香族系のものである。耐熱性、耐加水分解性に優れ、高温下でも酸、アルカリで加水分解されず、熱水、加熱スチームに長期間耐える。電気・電子、自動車等の工業部品、食品・化学工業等の装置部品等に使用されている。固体。
- ポリスチレン(polystyrene)略称PS
- スチレンモノマーを重合して製造される熱可塑性樹脂。一般用(GP)、耐衝撃性(HI)、発泡(FS)及びスチレン系共重合樹脂(AS,ABS)がある。そのうちGP、HIはテレビ、冷蔵庫、VTR、ラジカセ等の電気・工業部品、容器、家庭用品、玩具等に使用される。固体。
- ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)略称PVAまたはPVAL
- ポバールともいい、酢酸ビニルを酸またはアルカリで加水分解して得られる。ビニロンの原料。固体。
- ポリフェニレンエーテル(polyphenylene ether)略称PPE
ポリフェニレンオキサイド(polyphenylene oxide)略称PPO - フェノールとメタノールの合成によって得られる2,6-キシレノールの重合体であるPPO(またはPPE)とポリスチレンとのブレンドあるいはグラフト重合によって得られる製品が代表的なもの。プラスチック・アロイのひとつで、非晶性の熱可塑性樹脂である。広い温度範囲で機械的性質が安定しており、かつ電気的特性に優れているのが特徴。電気・電子、OA機器の機能部品及びハウジングに使用されている。固体。
- ポリフェニレンサルファイド(polyphenylene sulfide)略称PPS
- パラジクロルベンゼンと硫化ソーダの合成によって得られる結晶性の合成樹脂。汎用エンジニアリングプラスチックに比べて耐熱性がきわめて高く、機械的強度、電気的特性、耐薬品性に優れている。重合後の精製工程から得られるニードポリマーは粉体であり、これ自体では成形しにくいため、高温処理したものに各種の無機フィラーを配合して射出成形グレードとする。電気・電子部品、一般機械部品に使用される。固体。
- ポリブチレンテレフタレート(polybutyrene terephthalate)略称PBTまたはPBTP
- テレフタル酸ジメチルと1,4-ブタンジオールを出発原料とするテレフタル酸ジメチル法(エステル交換反応)、あるいはテレフタル酸と1,4-ブタンジオールを出発原料とする直接重合法(直接エステル化法)によって得られるビスヒドロキシブチルテレフタレート(BHBT)の重縮合体。強靭で剛性が高く、熱的・電気的性質に優れた結晶性の熱可塑性飽和ポリエステル樹脂のひとつ。電気・電子部品に多用されている。固体。
- ポリブテン(polybutene)
- イソブチレンを主体とする低重合体。スペントBBを原料として製造されるため、若干のブテン-1が共重合した液状ポリマーとなる。潤滑油、含浸油、石油添加剤等に使用される。液体。
- ポリプロピレングリコール(polypropylene glycol)略称PPG
- ポリウレタンの原料である。プロピレンオキサイドを重合して製造される。液体。
- ポリプロピレン(polypropylene)略称PP
- ポリエチレンと並んで石油化学製品を代表する熱可塑性樹脂。自動車や電気・電子部品、包装用等のフィルム、コンテナー、日用品、注射器等広範な用途をもつ。プロピレンを重合して製造される。固体。
- ポリマー(polymer)
- 重合によって生じた大きな分子量の化合物のことを、もとの化合物、すなわちモノマー(単量体)に対してポリマー(重合体)と呼ぶ。重合体が2分子の時は二量体、3分子の時は、三量体という。
- ポリマー・アロイ(polymer alloy)
- いわば樹脂の合金(アロイ)。複数の樹脂(ポリマー)を分子、原子レベルで組合せ、それぞれの樹脂の特徴を生かして相手の樹脂の欠点を克服したり、個別の樹脂では得られない新しい性質を生み出す方法のこと。単に、樹脂同士を混ぜ合わせただけでは、両方の樹脂の相性が悪く、良好な物性が出てこない場合が多い。このため、添加剤に工夫を凝らしたり、一方の樹脂を変性させることで相性を改善して幅広くアロイ化を進める技術開発に力が注がれている。
- ポリマー・ブレンド(polymer blend)
- 相性の良い樹脂(ポリマー)をブレンドすることで、個々の樹脂の長所を生かし高性能化を図る方法のこと。ABS樹脂とポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテルあるいはポリブチレンテレフタレート等のポリマーブレンドが市場に供給されている。
- 無水フタル酸(phthalic anhydride)
- アルキド樹脂、可塑剤の原料。ナフタリンまたはキシレン中に含まれるオルソキシレンを原料として製造される。固体。
- 無水マレイン酸(maleic anhydride)
- 不飽和ポリエステル樹脂、可塑剤等に使用される。ベンゼンを原料にした製法と、BB留分を原料にした製法がある。固体。
- メタキシレン(meta-xylene)
- キシレン。
- メタクリル樹脂(methacrylate resin)略称PMMA
- 看板、照明器具等に使用される。アセトンと青酸あるいはイソブチレンとメタノールから誘導されるメチルメタクリレート(MMA)の重合によって製造される。固体。
- メタノール(methanol)
- ホルマリン、DMT、メタクリル樹脂等の原料並びに各種溶剤に使用される。天然ガス、液化石油ガスを原料として製造される水素と一酸化炭素を原料とする。液体。
- メタロセン(シングルサイト)型触媒(metallocene catalysts)
- 二つの平面体の間に金属原子が挟まれたサンドイッチ構造の分子をメタロセン化合物という。これは重合触媒としての活性点が一つだけ(シングルサイト)という特徴があり、特定の物性を持ったポリマーを選択的に製造することができる。工業的には1980年代半ばに開発され、90年代半ばからこの触媒によるポリエチレンの商業生産が始まった。
- メタン(methane)
- CH4 最も構造の簡単な飽和炭化水素である。ナフサ分解ガス、COG、天然ガス等に含まれ、アンモニア、メタノール、アセチレン、シアン化水素等の原料として使用される。気体。
- メチルイソブチルケトン(methyl isobutyl ketone)略称MIBK
- 塗料溶剤として使用される。アセトンを原料として製造されるが、この際、メチルイソブチルカルビノール(略称MIBC)を副生する。液体。
- メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone)略称MEK
- 塗料や印刷インキ等の溶剤として使用される。第2級ブタノールの脱水素によって得られる。液体。
- メチルペンテンポリマー(methylpentene polymer)略称PMP
- 耐熱性に優れた結晶性のオレフィン系熱可塑性樹脂。全芳香族ポリエステルに分類される。耐薬品性を兼備しており、電気・電子部品、摺動部品のほか医療・実験器具、また耐熱紙容器のコーティング材料として使用されている。固体。
- メチルメタクリレート(methyl methacrylate)略称MMA
- MMA樹脂の原料。メタクリル酸メチルあるいはMMAモノマーともいう。製法的には従来アセトンシアンヒドリン(ACH)法が主体であったが、シアン化水素不足から、最近はイソブチレンまたはこれを含むC4留分の直接酸化による製法が主流となっている。液体。
- メラミン樹脂(melamine formaldehyde resin)略称MF
- メラミンとホルマリンの反応によって得られる熱硬化性樹脂。表面硬度が大きく、滑らかで耐水・耐熱性に優れ成形後の収縮膨張が少ないこと、電機的には耐アーク性がよいこと等から電気・機械部品、食器等の成形材料、また化粧板、塗料等に使用されている。固体。
- モノマー(monomer)
- ポリマー(重合体)の基礎原料となる比較的低分子量で構造が簡単な化合物のことをモノマー(単量体)という。例えばポリエチレンに対するエチレン、ポリスチレンに対するスチレンモノマーがこれに当たる。
- ヤ
- ユ
- ヨ
- ユリア樹脂(urea resin)略称UF
- 合板用接着剤を主力用途としているが、成形品等にも使用される熱可塑性樹脂。尿素とホルマリンを原料とする。尿素樹脂ともいう。固体。
- ラテックス(latex)
- もともと天然ゴムの樹から得られたゴム液をいうが、合成ラテックスとしてスチレン・ブタジエンゴムやクロロプレンゴムなどのラテックスがある。特にSBRラテックスは紙のコーティング用や繊維処理剤として重要である。液体。
- ラフィネート(raffinate)
- 溶剤抽出の際、溶剤に抽出されない残留分の一般的名称。ナフサ分解で副生する分解油中から芳香族を抽出した残留分は、その代表的な例である。
- ラミネート法(lamination)
- 複合フィルム・シートあるいは多層フィルム・シートの製造方法のひとつ。合成樹脂フィルムを紙やセロファン、アルミ箔等の他の基材の上に貼り合わせたラミネートフィルムを製造する際に用いられる。Tダイ法によって得られたフィルムを溶融状態のままラミネーターと呼ばれる装置にかけ、加圧ロールにより基材に貼り合わせる方法が一般的である。代表的なラミネートフィルムとして低密度ポリエチレンを各種基材と組み合わせたものがある。
- リフォメート(reformate)
- 改質の項参照。
- レゾルシン(resorcin)
- ベンゼンメタジスルホン酸をカ性ソーダとともにアルカリ溶融する製法と、m-ジイソプロピルベンゼン(m-DIPB)を空気酸化し、過酸化物を酸分解する製法がある。医薬品、ゴム・タイヤ用接着剤、染料等に用いられる。固体。
- ワ
- ヲ
- ン
- ABS
- アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂
- AN
- アクリロニトリル
- AS(またはSAN)
- アクリロニトリル・スチレン樹脂
- BR
- ブタジエンゴム
- CFRP
- 複合材料
- CFRTP
- 複合材料
- CR
- クロロプレンゴム
- DAP(またはPDAP)
- ジアリルフタレート樹脂
- DMT
- テレフタル酸ジメチル
- DOP
- 可塑剤
- EDC
- 二塩化エチレン
- EG
- エチレングリコール
- EO
- エチレンオキサイド
- EP
- エポキシ樹脂
- EPS
- 発泡ポリスチレン
- EPT(またはEPDM)
- エチレン・プロピレンゴム
- EVA
- エチレン酢ビコポリマー
- FS
- 発泡ポリスチレン
- GPPS
- 一般用ポリスチレン
- HDPE
- 高密度ポリエチレン
- HIPS
- 耐衝撃性ポリスチレン
- IIR
- ブチルゴム
- IPA
- イソプロパノール
- IR
- イソプレンゴム
- LCP
- 液晶性ポリマー
- LDPE
- 低密度ポリエチレン
- L-LDPE
- 直鎖状低密度ポリエチレン
- MBS
- ブタンジエン・スチレン・メチルメタクリレート
- MEK
- メチルエチルケトン
- MF
- メラミン樹脂
- MIBK
- メチルイソブチルケトン
- MMA
- メチルメタクリレート
- mPPE(またはmPPO)
- 変性ポリフェニレンエーテルまたは変性ポリフェニレンオキサイド
- NBR
- アクリロニトリル・ブタンジエンゴム
- PA
- ポリアミド
- PA6
- ポリアミド
- PA66
- ポリアミド
- PA11
- ポリアミド
- PA12
- ポリアミド
- PAR
- ポリアリレート
- PBT(または PBTP)
- ポリブチレンテレフタレート
- PC
- ポリカーボネート
- PE
- ポリエチレン
- PEEK
- ポリエーテルエーテルケトン
- PES
- ポリエーテルサルフォン
- PET(またはPETP)
- ポリエチレンテレフタレート
- PF
- フェノール樹脂
- PG
- プロピレングリコール
- PI
- ポリイミド
- PIB
- ポリイソブチレン
- PMMA
- メタクリル樹脂
- PMP
- ポリメチルペンテンポリマー
- PO
- プロピレンオキサイド
- POM
- ポリアセタール
- PP
- ポリプロピレン
- PPG
- ポリプロピレングリコール
- PPS
- ポリフェニレンサルファイド
- PS
- ポリスチレン
- PSU
- ポリサルフォン
- PTA
- テレフタル酸
- PUR
- ポリウレタン
- PVA
- ポリビニルアルコール
- PVC
- 塩化ビニル樹脂
- PVDC
- 塩化ビニリデン樹脂
- SAP
- 高吸水性樹脂
- SBR
- スチレン・ブタジエンゴム
- SM
- スチレンモノマー
- TPA
- テレフタル酸
- TPE
- 熱可塑性エラストマー
- UF
- 尿素樹脂
- UP
- 不飽和ポリエステル樹脂
- VAM
- 酢酸ビニル
- VCM
- 塩化ビニルモノマー
- ACC
- American Chemistry Council…米国化学協議会
- AFPM
- American Fuel & Petrochemical Manufacturers…アメリカ燃料石油化学製造者協会(NPRAを改称)
- APCIC
- Asia Pacific Chemical Industry Coalition…アジア太平洋化学工業協力会議
- APIC
- Asia Petrochemical Industry Conference…アジア石油化学工業会議
- APME
- Association of Plastics Manufacturers in Europe…欧州プラスチック生産者協会
- APPE
- Association of Petrochemical Producers in Europe…欧州石油化学生産者協会
- CCPA
- Canadian Chemical Producers' Association…カナダ化学品生産者協会
- CEFIC
- Conseil Europeen des Federaitons de l'Industrie Chimique…欧州化学工業団体協議会
- China Petroleum and Chemical
- SINOPECの上場子会社
- CNOOC
- China National Offshore Oil Corp.…中国海洋石油集団公司、上場会社はCNOOC Ltd.
- CNPC
- China National Petroleum Corporation…中国石油天然ガス集団公司
- CPCIF
- China Petroleum and Chemical Industry Federation…中国石油和化学工業連合会
- CPMA
- Chemicals and Petrochemicals Manufacturers Association(インド)
- CTHA
- Chemical Tariff Harmonization Agreement…化学品関税引下げ同調化協定
- EPCA
- The European Petrochemical Association…欧州石油化学協会
- FTIPC
- Petrochemical Industry Club, Federation of Thai Industries…タイ工業連合、石油化学工業クラブ
- GPCA
- Gulf Petrochemicals and Chemicals Association
- ICCA
- International Council of Chemical Association…国際化学工業協会協議会
- IPIF
- International Petrochemical Information Forum…石油化学工業団体の国際的な情報交換会議
- IEA
- International Energy Agency…国際エネルギー機関
- JCIA
- Japan Chemical Industry Association…一般社団法人日本化学工業協会
- JPCA
- Japan Petrochemical Industry Association…石油化学工業協会
- KPIA
- Korea Petrochemical Industry Association…韓国石油化学工業協会
- MPA
- Malaysian Petrochemicals Association
- NEDO
- New Energy and Industrial Technology Development Organization…新エネルギー・産業技術総合開発機構
- OPEC
- Oganization of Petroleum Exporting Countries…石油輸出国機構
- Petro China
- Petro China…CNPCの上場子会社
- PIAT
- Petrochemical Industry Association of Taiwan…台湾區石油化学工業同業公会
- PTIT
- Petroleum Insititute of Thailand
- RING
- Research Association of Refinery Integration for Group-Operation…石油コンビナート高度統合運営技術研究組合
- SABIC
- Saudi Basic Industries Corporation…サウディ基礎産業公社
- SCIC
- Singapore Chemical Industries Council
- SINOCHEM
- China National Chemicals Import & Export Corporation…中国化工進出口集団公司
- SINOPEC
- China Petrochemical Corporation…中国石油化工集団公司
- SPI
- The Society of the Plastics Industry(USA)…アメリカプラスチック工業協会
- WTO
- World Trade Organization…世界貿易機関