Let’s Study 石油化学~質問にお答えします~

質問にお答えします

石油化学がなくなったら私たちの暮らしはどう変わるのですか?
石油化学製品は、家庭用品、電気製品、自動車、電子機器、おもちゃ、衣料品、医療分野などさまざまな分野で使われています。
これらのもののなかには、昔は、木、金属や植物、動物の毛など天然の素材を利用してつくられていたものもあります。しかし、それらは石油化学製品を素材として使うことで、石油化学製品のすぐれた性質を利用し、それまで考えられなかった形や機能をもつものに進化してきています。今、石油化学製品を使わずに、もとの天然の素材でつくることが可能かといったら、ほとんど不可能なのが現状です。
したがって、現在の生活は石油化学製品を使わなければ、成り立たないといえます。みなさんの部屋の中から石油化学製品を取り除いていったらからっぽになってしまうほどです。
石油化学業界では、環境についての取組みとして、どんなことをしていますか?

私たち石油化学業界は、石油化学製品をつくる時から使われた後まで、環境を守るために自主的な活動(レスポンシブル・ケア活動と言います)を積極的に進め、環境に対する責任ある行動を心掛けています。

具体的には、下に説明した5つの項目があります。

(1)資源の節約

石油化学産業は、皆さんの生活に必要な製品をつくるため、石油を原料やエネルギー(熱・圧力・動力)として、とてもたくさん使っています。その石油は限りある資源ですし、エネルギーとして使うと地球の温暖化を招く二酸化炭素(自動車や発電所からもたくさん出ています)が出てしまうので、出来る限りエネルギーとして使う石油の量を少なくするように努力しています。
具体的には、石油化学産業を含む化学産業全体で、石油化学製品の新しい製造方法を開発したり、製造工程で、できる限りエネルギーの無駄遣いをしないように工夫する取組みを進めています。

(2)大気・水の汚染防止(おせんぼうし)

日本の石油化学産業を含む化学工業では、アメリカやヨーロッパの国々と比べても早い時期から、大気・水の汚染防止に取り組んできました。その結果、大気や水の汚染状況は大幅に改善され、更に現在も環境汚染防止に積極的に取り組んでいます。

(3)リサイクルの推進(すいしん)

「リサイクル」はよく耳にする言葉ですが、使い終わったプラスチック製品を、再び加工しプラスチック製品として再利用したり、ガスや油、原料に戻し再利用したり、燃やして電気や熱を発生させて再利用する取組みのことです。この他にも、プラスチック容器を繰り返し再使用する方法もありますが、これは「リユース」といっています。

(4)廃棄物(はいきぶつ)の削減

限りある石油資源を大切に利用し、地球規模で循環型社会を目指していくことが求められています。
化学業界では、
廃棄物の発生量削減(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)等の観点からさまざまな工夫を推進して、たとえば廃棄物を他の製品の原料として利用するなど、最終処分量削減に向けた活動を進めています。

(5)地球温暖化防止への貢献

石油化学工業は、エネルギーとして使う石油の量を少なくするように努力するだけでなく、地球温暖化防止のために、より積極的な貢献をしています。
風力発電用風車のFRPでできたブレードや、排気ガスを減らすための自動車軽量化に貢献するプラスチック製の部品をつくることなどもその一例です。