Let’s Study 石油化学 ~石油化学なんでも情報~

よごれはどうやって落とすのか

界面活性剤(かいめんかっせいざい)の秘密

合成洗剤(せんざい)には界面活性剤という石油化学から生まれた物質が含まれています。
合成洗剤で油よごれを落とすことができるのは、実はこの物質のおかげなのです。
洗濯(せんたく)用の合成洗剤はいろいろ種類がありますが、その成分の30~40%は界面活性剤です。

界面活性剤の分子(ぶんし)

界面活性剤は細長い一つの分子のなかに、下の図のような、油になじみやすい「親油基(しんゆき)」(「疎水基(そすいき)」ともいいます。)と、水になじみやすい「親水基(しんすいき)」を両方持っています。

界面活性剤の分子構造

このことを頭に入れて、油よごれの落ち方を考えてみます。

油よごれ

ブロードバンド時代を担う(になう)

光ファイバー

光ファイバー

みなさんが今、このホームページを見ているように、インターネットでホームページを見たり、調べものをしたりすることは、とても身近になっています。

このように、今、手もとにない情報を、見たり、調べたりできるのは、はなれたところにあるサーバ(コンピュータ)上にある情報を、とても速い速度で運んでくれる通信のしくみがあるからです。

SNSに写真をたくさんアップしたり、動画を楽しめたりするのも、こうした通信のしくみがあるからです。

そして、こうしたブロードバンドとよばれる通信のしくみにも、石油化学はなくてはならないものなのです。

一度にたくさんの情報を運ぶしくみ・・・これは情報を光の信号に変えて運ぶしくみで、この情報の通り道が光ファイバーです。

この光ファイバーには、石油化学から生まれたプラスチックが多く使われています。

コアとクラッドという部分に、2種類のプラスチックが使われていて、内側が鏡のように光を反射する素材でできています。
ここに、片方の端から懐中電灯のようなもので光を入れてやると、パイプの内側を光が反射しながら進んでいって、反対側までとどくのです。

懐中電灯(かいちゅうでんとう)をつけたり消したりして、モールス信号のように光る時間の長さをかえて送ってみると、光ファイバーの反対側の端まで光の信号を正確に伝えることができます。

これが、光で情報を伝えるということなのです。

光ファイバー断面図

光が通る部分、コアには、PMMA:ポリメチルメタアクリレート樹脂(じゅし)がよく使われます。そして、それをおおう部分、クラッドには、フッ素樹脂というプラスチックが良く使われます。

光ファイバー

光ファイバーは中央部と周辺部の屈折率のちがいを利用して信号を伝えます。
中央部を伝わる信号は、経路が曲がりくねっていても境目で反射しながら進んでいきます。

現在、日本では、すでに、おもな回線を光ファイバーにすることは終わっています。でも、高画質の動画や映画などを楽しむためには、自分のパソコンのところまでこの光ファイバーが来ていなければなりません。

新しく建つマンションなどでは、各部屋まで光ファイバーが敷かれているところもでてきており、これが実現するのも、もう間近です。

スポーツと石油化学

スポーツと石油化学

こんな素敵な冬のスポーツシーン、スノーボードも、ゴーグルも、ウェアも、みんな石油化学があるからこそ生まれたものなのです。

スポーツと石油化学、それはもう切っても切れない関係で、人類の限界への挑戦や世界記録の更新などに貢献しています。

陸上競技を思い浮かべてみてください。
100メートル競技、今では10秒を切る記録で走る選手もずいぶん増えています。そんな素晴らしい記録は、選手のたゆまぬ努力とトレーニングの賜物であることはもちろんですが、その陰にはシューズの性能の向上も貢献しています。

石油化学からつくられた素材は、様々なスポーツ専用のシューズ、棒高跳びのポール、球技では、サッカーボール、バスケットボールをはじめとするボール、ゴールのネット、ラケット、ゴルフクラブ、いろいろなものに使われています。

水泳の水着も水の抵抗を少なくするなどの機能を持つ化学繊維です。

また、スポーツ義足等の素材でもあり、パラスポーツ選手の活躍や記録の向上にも欠かせないものになっています。

みなさんの楽しんでいるスポーツでもきっと石油化学から生まれた製品が使われているはずです。 探してみてください!

性能の魅力(みりょく)<自動車に使われるプラスチックの用途>

プラスチックというと、落とすと割れたり、強さという点からみると、鉄などの金属とは比べものにならなく弱いものだと思っていませんか?

確かに、身近にある、食品のトレイや、プラスチックのコップや、スーパーの袋なんかを思いうかべると、とても強いものとは思えません。
でも、プラスチックには、とてもたくさんの種類があり、その中でも、特に、強さや性能の優れたものは、自動車や機械部品などに使われています。

外装・部品

 

外装や大きな部品には、圧力や衝撃(しょうげき)に強く、衝撃を吸収する性質が求められますから、プラスチックと鉄をはりあわせたものや、繊維とプラスチックを混ぜたもの、柔軟性のあるプラスチックや二種以上のプラスチックを混ぜたものなどが使われています。

ポリプロピレン製のバンパーなど、大きな部分としては下の図のようなところにプラスチックが使われています。

自動車につかわれるプラスチック

内装

ダッシュボード・スピードメータ

運転席前にある、スピードメーターやダッシュボードには弾力性があり、温度の変化や衝撃(しょうげき)に強いプラスチックが使われています。

最近は、プラスチックの性能とともにリサイクル利用も考えて、使うプラスチックの種類を選ぶようになっています。

シートベルト

このほか、床マット、シートベルト、内ばりなど内装材には、ほとんどプラスチックが使われています。

安全性への貢献

エアバック

衝突した時の被害を少なくする部品や装置としては、プラスチック製のバンパーやシートベルト、衝撃吸収型(しょうげききゅうしゅうがた)のハンドル、エアバッグなどがあります。

エアバッグは事故の時に、ドライバーへの衝撃(しょうげき)を吸収し、死傷事故(ししょうじこ)の減少に大きく貢献しています。

衝撃を吸収する性質、これは、プラスチックならではの優れた性能の一つです。

デザイン性への貢献

もうひとつの魅力が成形のたやすさです。

プラスチックは、金属と比べ、微妙な形をつくりやすく、色合も細かく調節できるため、自動車のデザイン性向上にも大きく貢献しています。