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整理番号:No.47
石 油 化 学 工 業 協 会
作成    1998年 8月
改訂    2003年 4月

1.製品の名称  モノエタノールアミン


2.組成、成分情報

化学名 モノエタノールアミン
  別名 2-アミノエタノール、2-ヒドロキシエチルアミン、エタノールアミン
成分及び含有量 98%以上
化学式及び構造式 2NCH2CH2OH(分子量61.08)
官報公示整理番号 化審法・安衛法(2)−301
CAS No. 141-43-5

3.危険有害性の要約

最重要危険有毒性
  有害性 眼・皮膚に腐食性を示す。接触すると皮膚や眼を侵す。
蒸気を吸入すると肺水腫や喘息の症状を示すことがあり、数時間後に症状が現れることが多い。安静にしていないと悪化する。
  環境影響 生分解性良好
  物理的及び化学的危険性 可燃性の液体(引火点 97℃(クリーブランド開放式))
強酸化剤と共存すると爆発の危険性がある。
分類の名称(分類基準は日本方式) 腐食性物質、急性毒性物質

4.応急措置

吸入した場合 被災者を直ちに新鮮な空気の場所へ移す。
身体を毛布などで覆い、安静にする。
呼吸が止まっている場合及び呼吸が弱いときは、衣類を緩め呼吸気道を確保した上で人工呼吸を行う。
意識はないが呼吸している場合、又は意識はあるが呼吸困難な場合は酸素吸入が有効である。
医師の指導の下で行うことが望ましい。
医師の指導なしに酸素以外の施薬をしたり、被災者に口から何も与えてはならない。
直ちに医師の手当を受ける。
皮膚に付着した場合 一刻でも早く洗浄を始め、完全に洗い流す必要がある。
洗浄が遅れたり、不十分だと重度の皮膚障害の恐れがある。
汚染された衣服、靴などは速やかに脱ぎ捨てる。
必要であれば衣服等を切断する。
その後水又は微温湯を流しながら最低20〜30分間時間をみながら洗浄する。
直ちに医師の手当を受ける。
目に入った場合 コンタクトレンズを使用している場合は固着していない限り取り除 いて洗浄する。
適温のゆるやかな流水により、15分以上、救急車が来るまで洗浄する。洗浄を中断してはならない。
洗眼の際、まぶたを指でよく開いて、眼球、まぶたの隅々まで水がよく行き渡るよう洗浄する。
直ちに眼科医の手当を受ける。
すぐには痛みがなく視力に影響がなくとも障害が遅れて現れることがあるので必ず医師の診断を受ける。
飲み込んだ場合 口をすすぎ多量の水を飲ませる。吐かせてはならない。
直ちに医師の手当を受ける。

5.火災時の措置

消火剤 水、粉末、二酸化炭素、泡(耐アルコール泡)
特定の消火方法 火災発生場所の周辺に、関係者以外の立ち入りを禁止する。
火元への燃料源を断ち、消火剤を使用して消火する。
速やかに容器を安全な場所に移すか、もしくは内容物を他の容器に移送する。
移動不可能な場合は容器及び周囲に散水し冷却する。
また、延焼のおそれのないよう水スプレーで周辺のタンク、建物等を冷却する。
消火作業は風上から行う。
消火を行う者の保護 消火を行う人は自給式呼吸器等の保護具を着用する。

6.漏出時の措置

人体に対する注意事項 作業の際、保護具を着用し、風上から作業する。
環境に対する注意事項 下水等に入り込まないように注意する。
除去方法 少量にこぼれた場合
土砂などに吸収させる。
多量に漏れた場合
土砂などで流れを止め、安全な場所に導いて回収する。
二次災害の防止策 風下の人を退避させ、漏洩した場所の周辺から人を遠ざける。
付近の着火源となるものは速やかに取り除く。

7.取扱い及び保管上の注意

取扱い 1.できるだけ吸入、接触を防ぎ、適切な保護具を着用し風上から作業する。
2.室内での取扱いの場合は、発生源の密閉化又は、局所排気装置を設けることが望ましい。作業環境を許容濃度以下に保つ。
3.取扱い後は、石鹸を用いて手洗、洗顔を十分に行う。
4.漏れ、あふれ、飛散しないようにし、みだりに蒸気を発生させない。
5.強酸化剤との接触をさける。
6.取扱い場所では火気、火花、アークを発するもの、高温点火物を使用しない。
7.容器はみだりに転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずる等の粗暴な取扱いをしない。
保管
 適切な保管条件 1.貯蔵場所、構造等は消防法で定める基準に準拠したものとする。
2.貯蔵場所はボイラー等の熱源付近を避ける。
3.換気の悪い場所、浸水のおそれのある低所に貯蔵しない。
4.酸化性物質、有機過酸化物と同一の場所で貯蔵しない。
5.常温付近で凝固するので、タンクで貯蔵する場合は、温水コイル等による保温が必要である。
6.使用済み容器は一定の場所を定めて保管する。
 安全な容器包装材料 容器は破損、腐食、漏れ等がないものを使用する。
容器材質はステンレス又はアルミニウムが望ましいが、水溶液の場合にはアルミニウムは不適である。

8.暴露防止及び保護措置

設備対策 蒸気の発生源を密閉する設備又は局所排気装置を設ける。
電気計装機器等は必要に応じ防爆構造のものとする。
取扱い場所の近くに安全シャワー、手洗い、洗眼設備を設け、その位置を明瞭に表示する。
管理濃度 設定されていない
許容濃度 日本産業衛生学会(2002年版)
           時間荷重平均値  3 ppm ,  7.5 mg/m
ACGIH(2001年版)

           TLV−TWA     3 ppm ,  7.5 mg/m
            TLV−STEL     6 ppm ,  15 mg/m
保護具
呼吸器の保護具 防毒マスク、送気マスク、空気呼吸器
手の保護具 保護手袋
目の保護具 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具 保護長靴、保護前掛、保護衣

9.物理的及び化学的性質

外観
  物理的状態 液体
  色 無色透明
臭い かすかなアンモニア臭
pH 測定項目に該当しない。
物理的状態が変化する
特定の温度/温度範囲
  沸点 171 ℃
  融点 10.5 ℃
引火点 97 ℃(クリーブランド開放式)
発火点 410 ℃
爆発特性
  爆発限界 下限:5.5 vol%   上限:17 vol% (空気中)
蒸気圧 48 Pa(0.36mmHg)(20 ℃), 7.3kPa(55mmHg) (100 ℃)
蒸気密度 2 . 1 (空気=1)
密度(比重) 1 .0174 (20 ℃/20 ℃)
溶解度 水、アルコールに完溶。エーテル、ベンゼンに微溶。
オクタノール/水分配係数 log Pow =1.31

10.安定性及び反応性

安定性 通常の条件下では安定
反応性 酸化剤との混触、あるいはそれが加熱、衝撃、摩擦により発熱、発火することがある。
避けるべき条件 酸化剤と区別する。

11.有害性情報

ヒトへの影響
急性毒性 高濃度の蒸気を吸入すると肺水腫や喘息の症状を示すことがある。
これらの症状は暴露後数時間で現れることが多く、体を動かすことによりさらに悪化する。
中枢神経、胃腸系、肝臓に影響したり意識低下を起こすことがある。
一度喘息の症状を示したものは同じ症状を起こすので以後接触しないこと。
動物実験結果
急性毒性2) 3)
経口 ラット(雄) LD50 2.74g/kg
ラット(雄) LD50 1.72g/kg
ラット(雄) LD50 1.97g/kg
腹腔内 マウス LD50 1.05g/kg
皮膚刺激性 有り2)3)
眼刺激性 有り2)3)
皮膚腐食性 有り7)
亜急性・慢性毒性 22%含有する毛染剤を0〜0.0975g/kg/日で食物中に混ぜて、ビーグル犬12匹に3濃度で2年間暴露したが、毒性影響はなかった。2)3)
犬に5ppm、90日連続的に暴露したところ、皮膚の刺激性を示したり、一時的なわずかな体重減少や活動や注意力のわずかな低下がみられた。
変異原性 Ames試験 陰性5)
催奇形性 認められなかった。2)3)
生殖毒性 認められなかった。2)3)

12.環境影響情報

残留性/分解性 生分解性良好1)4)
30ppm汚泥、100ppmモノエタノールアミンでBOD分解度49%
(2週間、なお上昇中)
6)
生態毒性
  魚毒性
金魚 24h LC50  190mg/l (pH 10.1) 1)
96h LC50  170mg/l (pH 10.1) 1)
24h LC50  >5000mg/l(pH 7) 1)
  その他 藻類毒性1)
microcystis aeruginoza    8d  EC0  1.6 mg/l
cenedesmus quadricauda  7d  EC0  0.75 mg/l

13.廃棄上の注意

残余廃棄物 廃棄は一般には焼却によって行うが、燃焼によって窒素酸化物が生成するので注意する。
少量の場合;ウエス、おがくず等に吸収させて焼却する。
多量の場合;産業廃棄物処理専門業者に委託するのが望ましい。
汚染容器・包装 空容器を廃棄する場合は、水洗、蒸気吹き込みにより容器に付着した内容物を完全に除去してから処分する。

14.輸送上の注意

国連分類 クラス8(腐食性物質 P.GV)
国連番号 UN2491
輸送の特定の安全対策及び条件 運搬に際しては容器の漏れのないことを確かめ、転倒、落下、衝突を避ける。
ホースによる荷役作業の際は、ホースの結合部を確実に締めつけ、又は結合したことを確認する。
ホース脱着時はホース内の残留物の処置を完全に行う。

ローリー、トラック、運搬船には所定の標識板、消火設備を備える。

15.適用法令

消防法 危険物第4類第3石油類 水溶性液体(指定数量 2,000リットル)
労働安全衛生法 施行令第18条の2 通知対象物 政令番号第21号
化学物質管理促進法 第1種指定化学物質 政令番号第16号
船舶安全法 危規則第3条 危険物告示別表第3 腐食性物質
海洋汚染および海上災害の防止に関する法律 施行令別表第1 D類物質等
航空法 施行規則 告示別表第11 腐食性物質
毒物及び劇薬取締法 第2条別表第2劇物

16.その他の情報

1) K.Verschueren:Handbook of Environmental Data on Organic Chemicals, 3rd
2) Ed.,Nostrand Reinhold (1996)
3) Final Report on the Safety Assessment of Triethanolamine, Diethanolamine
4) and Monoethanolamine JOURNAL OF THE AMERICAN COLLEGE OF TOXICOLOGY
5) Volume2, Number7, (1983)
6) Teratogenesis, Carcinogenesis and Mutagenesis 6,(1986) Studies on the Embryopathic Effects of Ethanolamine in Long-Evans Rats
7) Preferential Embryopathy in Pups Contiguous with Male Siblings in vitro
8) 通産公報(昭和50年8月)
9) 労働省:労働安全衛生法有害性調査制度に基づく既存化学物質変異原性試験データ 集 p127(1996)
10) 通産省:化審法の既存化学物質安全性点検データ集 p2-46(1992)
11) International Chemical Safety Cards,IPCS, No. 152
12) Documentation of the Threshold Limit Values and Biological Exposure
13) Indices, Sixth Edition, p560-561,ACGIH