整理番号:No.44 |
石 油 化 学 工 業 協 会
作成 1989年 5月
改訂 2003年 9月 |
1.製品の名称 エチレングリコ−ルモノエチルエ−テルアセテ−ト
2.組成、成分情報
| 化学名 |
: |
酢酸2−エトキシエチル |
| 別名 |
: |
2−エトキシエチルアセテート、酢酸セロソルブ、セロソルブアセテート、エチルグリコールアセテート |
| 含有量 |
: |
99%以上 |
| 化学式 |
: |
CH3COOCH2CH2OC2H5(分子量132.16) |
| 官報公示整理番号 |
: |
化審法・安衛法(2)−740 |
| CAS No. |
: |
111-15-9 |
3.危険有害性の要約
| 最重要危険有害性 |
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| 有害性 |
: |
動物実験で精巣萎縮や催奇形性が認められる。貧血や白血球減少の原因となる。 |
| 環境影響 |
: |
生分解性良好 。水生生物に毒性が有る。
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| 物理的及び化学的危険性 |
: |
引火性の液体で可燃性があり、温度が高い場所では爆発混合ガスを形成することがある。
爆発性過酸化物を生成することがあると推測される。
乾燥状態では、攪拌、空気輸送、注入などにより静電気を帯びることがある。10)
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| 主要な症候 |
: |
短期暴露によって目をわずかに刺激する。又,血液、中枢神経系に影響を与えることが有る。高濃度で暴露すると意識を喪失することがある。10) |
| 分類の名称(分類基準は日本方式) |
: |
引火性液体、急性毒性物質 |
4.応急措置
| 吸入した場合 |
: |
被災者を直ちに空気の新鮮な場所に移動させる。身体を毛布などでおおい、保温して安静を保つ。
呼吸が止まっている場合及び呼吸が弱い場合は、衣類を暖め呼吸気道を確保した上で人工呼吸を行う。
意識はないが呼吸している場合、又は意識はあるが呼吸困難な場合には酸素吸入が有効である。医師の指導の下に行うことが望ましい。
医師の指示なしに酸素以外の施薬をしたり、被災者に口からものを与えてはならない。ただちに医師の手当てを受ける。 |
| 皮膚に付着した場合 |
: |
汚染された衣服、靴などは速やかに脱ぎ捨てる。必要であれば衣服等を切断する。
その後、水又は微温湯を流しながらよく洗浄する。石けんを用いてよく洗い落とす。
外観に変化が見られたり、痛みが続く場合はただちに医師の手当てを受ける。 |
| 目に入った場合 |
: |
コンタクトレンズを使用している場合は固着していない限り、取り除いて洗浄を続ける。
清浄な水で最低15分間洗浄した後、直ちに、眼科医の手当てを受ける。
洗眼の際、まぶたを指で良く開いて、眼球、まぶたの隅々まで水が良く行きわたるように洗浄する。 |
| 飲み込んだ場合 |
: |
吐かせようとしてはいけない。
揮発性の液体なので吐き出させるとかえって危険性が増す。
水でよく口の中を洗わせる。
嘔吐が自然に起こったときは、気管への吸入が起きないように身体を傾斜させる。
保温して速やかに医師の手当てを受ける。
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5.火災時の措置
| 消火剤 |
: |
粉末、泡(耐アルコール泡)、二酸化炭素 |
| 特定の消火方法 |
: |
火災発生場所の周辺に関係者以外の立ち入りを禁止する。
初期の消火には粉末、二酸化炭素などを用いる。
大規模火災の際には、泡(耐アルコール泡)消火剤などを用いて空気を遮断することが有効である。
周辺火災の場合は周囲の設備などに散水して冷却する。
移動可能な容器は速やかに安全な場所に移す。 |
| 消火を行う者の保護 |
: |
自給式呼吸器等の保護具を着用する。 |
6.漏出時の措置
| 人体に対する注意事項 |
: |
暴露防止のため保護具を着用し、飛沫の皮膚への付着やガスの吸入をしないようにする。 |
| 環境に対する注意事項 |
: |
下水や側溝等に入り込まないように注意する。 |
| 除去方法 |
: |
漏出した場所の周辺に、ロープ等を張るなどして関係者以外の立ち入りを禁止する。
危険なくできる時は漏洩を止める。
・少量漏出の場合−
乾燥砂、土、おがくず、ウエス等に吸収させ密閉できる容器に回収する。
・大量漏出の場合−
盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてから回収する。
この際、下水や側溝等に入り込まないように注意する。
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| 二次災害の防止策 |
: |
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
火花を発生しない安全な用具を使用する。 |
7.取扱い及び保管上の注意
| 取扱い |
: |
1.吸入を防ぎ、目、粘膜、皮膚との接触を避ける。必要に応じ適切な保護具を着用し、風上から作業する。
2.作業環境を許容濃度以下に保つ。
3.室内で取扱う場合は蒸気の発散源を密閉する設備、または局所排気装置を設ける。
4.取扱い後、手洗い、洗顔等を十分に行い、衣服に付着した場合は着替える。
5.漏れ、あふれ、飛散を防ぎ、みだりに蒸気を発散させない。
6.火気、火花、アークを発生するものまたは高温点火源を付近で使用しない。
7.取扱い場所で使用する電気機器は防爆構造とし、機器類には静電気対策を講じる。
8.容器は破損、腐食、割れ等のないものを使用する。
9.容器はみだりに転倒させ、衝撃を加え、または引きずる等の乱暴な取扱いをしない。容器から出し入れするときは、零れないようにする。
10.流動によって静電気が発生する場合があるので出し入れの容器にはアースをとる。
11.使用済み容器は一定の場所を定めて保管する。 |
| 保管 |
: |
1.容器は直射日光を避け、風通しのよい、冷暗所に保管する。
2.保管場所は火気厳禁とする。 |
8.暴露防止及び保護措置
| 設備対策 |
: |
室内での取扱いの場合は発生源の密閉化又は局所排気装置を設置する。
取扱い場所の近くに安全シャワー、手洗い、洗顔設備を設け、その位置を明瞭に表示しておく。 |
| 管理濃度 |
: |
5 ppm(労働省告示第26号 1995.3.27) |
| 許容濃度 |
: |
日本産業衛生学会(2002年版):5ppm(27r/m3) (皮膚吸収あり)
ACGIH(2002年版) :TLV-TWA 5ppm(27r/m3)(皮膚吸収あり) |
| 保護具 |
: |
| 呼吸器の保護具 |
: |
状況に応じ有機ガス用防毒マスク、送気マスク、空気呼吸器等を着用する。 |
| 手の保護具 |
: |
状況に応じ保護手袋等を着用する。 |
| 目の保護具 |
: |
状況に応じ保護眼鏡等を着用する。 |
| 皮膚及び身体の保護具 |
: |
状況に応じ保護長靴等を着用する。 |
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9.物理的及び化学的性質 6) 7) 8) 10) 11)
| 外観 |
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| 物理的状態 |
: |
液体 |
| 色 |
: |
無色透明 |
| 臭い |
: |
芳香臭 |
| pH |
: |
測定項目に該当しない。 |
物理的状態が変化する
特定の温度/温度範囲 |
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|
| 沸点 |
: |
156.3 ℃ |
| 融点 |
: |
-61.7 ℃ |
| 引火点 |
: |
51.1℃(タグ密閉式)10)、55.8 ℃(タグ密閉式:消防庁危険物等登録データ) |
| 発火点 |
: |
379℃ |
| 爆発特性 |
|
|
| 爆発限界 |
: |
下限:1.7 vol% 上限:14 vol% (空気中)10) |
| 蒸気圧 |
: |
0.16 kPa(20℃)10) |
| 相対蒸気密度 |
: |
4.72(空気=1) |
| 比重 |
: |
0.9730 (20/4 ℃) |
| 溶解性 |
|
|
| 水 |
: |
23g/100ml(20℃)10) |
| その他溶媒 |
: |
多くの有機溶剤に溶ける。 |
| オクタノール/水分配係数 |
: |
log POW=0.24 11) |
10.安定性及び反応性
| 安定性 |
: |
通常の状態では安定。 |
| 反応性 |
: |
この物質は爆発性過酸化物を生成することがあると推測される。強酸化剤、強塩基、強酸、硝酸塩と反応する。10) |
11.有害性情報
| 急性毒性1) |
: |
| 経口 |
ラット |
LD50 |
2,900 mg/kg |
|
ウサギ |
LD50 |
1,950 mg/kg |
| 吸入 |
ラット |
LC50 |
12,100 mg/m3/8H |
| 経皮 |
ウサギ |
LD50 |
10,500 mg/kg |
|
| 局所効果(皮膚、目)2) |
: |
| 皮膚刺激 |
ウサギ |
刺激性なし |
| 目刺激 |
ウサギ |
弱い刺激性 |
|
| 発がん性 |
: |
IARC、ACGIH 、NTP、日本産業衛生学会で評価対象物質として取り上げられていない。 |
| 催奇形性 |
: |
吸入(ラット、ウサギ)、経皮の各試験で催奇形性のあることが確認されている。ウサギを使った代表的な吸入試験の結果をまとめると次のようになる。
400, 100, 25ppmで6時間/日、妊娠したウサギに吸入暴露した。
400ppmで母体への毒性及び胎仔毒性、催奇形性が見られる。
100ppmで胎仔毒性、催奇形性に至らぬ骨格変異が見られた。
25ppmでは影響なかった。2)
|
| 生殖毒性 |
: |
1.オスの動物に対する精巣萎縮がある。精巣萎縮及び精巣重量の低下は1,000mg/Kg以上で用量依存性が見られた。2)
2.動物実験では、この物質が人の生殖に有毒な影響を与える可能性があることを示している。10) |
| その他 |
: |
亜急性毒性及び慢性毒性;
生殖毒性以外の主なものは、貧血などの血液学的影響である。2)
吸入、ラットでの赤血球崩壊が見られる最低濃度は62ppmである。
経口、マウスで2,000mg/Kg以上、5週間で白血球減少が見られる。 |
12.環境影響情報
| 残留性/分解性 |
: |
生分解性良好
化審法の既存化学物質点検で生分解性良好物質とされている。(86.9%
by BOD)5)
非訓化汚泥使用 41% 4)
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| 生態毒性 |
|
|
| 魚毒性 |
: |
Fathead minnow(ファットヘッドミノー) LC50 96hr 42.2mg/l 9) |
|
|
金魚
LC50 24hr 160ppm 3) |
13.廃棄上の注意
| 廃棄は焼却または活性汚泥処理によって行い、その方法は次のいずれかによる。 |
1.おがくず、ウエス等に吸着させ、焼却炉で焼却する。
2.焼却炉の火室へ噴霧し焼却する。
3.空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去した後処分する。
4.廃棄を外部に委託する場合は、免許を持った産業廃棄物処理業者に内容物を明確にして処理を委託する。
5.低濃度の廃水は活性汚泥処理装置でも処理できる。
|
14.輸送上の注意
| 国際規制 |
: |
IMDG(国際海上危険物規則)コード;クラス3.3(引火点が23℃以上60.5℃以下のもの)
ICAO-TI(国際民間航空機関技術指針)/IATA-DGR(国際航空運送協会危険物規則);クラス3(引火性液体)
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| 国連分類 |
: |
クラス3(引火性液体、P.G.V) 国連番号:1172 |
| 国内規制 |
|
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| 消防法 |
: |
危険物第4類第2石油類(非水溶性液体)指定数量1000L
|
| 船舶安全法 |
: |
危規則告示別表第1(引火性液体類、P.G.V)
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| 航空法 |
: |
告示別表第1(引火性液体、P.G.V) |
| 輸送の特定の安全対策及び条件 |
: |
1.車両等によって運搬する場合は、荷送人は運送人へ運送注意書や、イエローカードを携帯させる。
2.容器の破損、漏れのないことを確かめ、衝撃、転倒、落下、破損のないように積み込み、荷崩れ防止を確実に行う。
3.タンク車(ローリー)等への充填、積み下ろし時は平地に停止させ、車止めをし、接地し、タンク車の許容圧以下の圧縮ガス又はポンプを用いて行う。
4.ホースの脱着時はホース内の残留物の処理を完全に行う。
5.ローリー、運搬船には所定の標識板、消火設備、災害防止用応急資材を備える。 |
15.適用法令
| 労働安全衛生法 |
: |
施行令別表第1、危険物(引火性のもの)
施行令別表第6の2、有機溶剤(第2種有機溶剤)
施行令第18条、名称等を表示すべき有害物
法第56条に基づく作業環境を測定すべき物質
法第57条の2、通知対象物 政令番号第79号
|
| 消防法 |
: |
危険物第4類第2石油類(非水溶性液体)指定数量1000L |
| 化学物質管理促進法 |
: |
第一種指定化学物質 政令番号第101号 |
| 船舶安全法 |
: |
危規則告示別表第1(引火性液体類、P.GV)
|
| 航空法 |
: |
告示別表第1(引火性液体、P.GV) |
| 海洋汚染防止法 |
: |
施行令別表第1有害液体物質(C類物質) |
16.その他
| 1) |
Registry of Toxic Effects of Chemical Substances(RTECS),NIOSH(Aug 1997) |
| 2) |
Health and Safety Executive:Toxicity Review
No.10(1985) |
| 3) |
A.L.Bridie.et al:用水と廃水22(3),83-83(1980)
|
| 4) |
西内康浩:生態化学4(3),45-47,(1981) |
| 5) |
通産省公報 昭和63年12月28日 |
| 6) |
溶剤ハンドブック,講談社(1976) |
| 7) |
溶剤便覧,槙書店(1967) |
| 8) |
The handbook of solvent,D.Van Norstrand Co.Inc.(1953) |
| 9) |
Holcombe G.W.et al;Env.Pollut.35.367(1984) |
| 10) |
国際化学物質安全性カード(ICSC)日本語版 第3集p300,化学工業日報社
発行 |
| 11) |
Karel Verschueren :Handbook of Environmental
Data on Organic Chemicals 3rd ed. VAN
NOSTRAND
REINHOLD 971-972 |
|