HOME > 製品安全データシート > エチレングリコ−ルモノエチルエ−テル
 
整理番号:No.43
石 油 化 学 工 業 協 会
作成    1989年 5月
改訂   2003年 3月

1.製品の名称  エチレングリコ−ルモノエチルエ−テル


2.組成、成分情報

化学名 2−エトキシエタノール
 別名 セロソルブ、エチルセロソルブ
含有量 99%以上
化学式  25OCH2CH2OH(分子量90.14)
官報公示整理番号 化審法・安衛法(2)−411
CAS No. 110-80-5

3.危険有害性の要約

最重要危険有害性
 有害性 眼、皮フ、気道を刺激する。
中枢神経系の抑制及び肝臓,腎臓の病変を起こすことがある。
骨髄及び血液に影響を与え、貧血及び血液細胞の損傷を生じることがある。
精巣に対する影響等の生殖毒性を引き起こすことがある。
 環境影響 生分解性良好
 物理的及び化学的危険性 引火性がある。
温度が高い場所では爆発性混合ガスを作る可能性がある。
分類の名称(分類基準は日本方式) 引火性液体、急性毒性物質

4.応急措置

吸入した場合 患者を直ちに空気の新鮮な場所に移し、安静にして速やかに医師の手当を受ける
。呼吸が停止している場合は人工呼吸を行い、呼吸困難な場合は酸素吸入を行う。
皮膚に付着した場合 汚染された衣服、靴などは速やかに脱ぎ捨てる。
必要であれば衣服等を切断する。
水または微温湯を流しながら洗浄する。
石けんを用いてよく洗い落とす。

外観に変化が見られたり、痛みが続く場合はただちに医師の手当てを受ける。
目に入った場合 コンタクトレンズを使用している場合は固着していない限り、取り除いて洗浄する。
最低15分間洗浄した後、ただちに眼科医の手当てを受ける。
洗眼の際、まぶたを指で良く開いて、眼球、まぶたの隅々まで水が良く行きわたるように洗浄する。
飲み込んだ場合 口をすすぐ。吐かせる(意識がある場合のみ)。医療機関に連絡する。

5.火災時の措置

消火剤 泡(アルコホーム)、粉末、二酸化炭素
特定の消火方法 速やかに容器を安全な場所に移す。
移動不可能な場合は容器及び周囲に散水し消火する。
火元への燃料源を断ち、消火剤を使用して消火する。
スプレー水で火災に曝露されている表面を冷やす。
消火作業は風上から行い、消火を行う人は場合によって呼吸用保護具を着用する。
消火を行う者の保護 呼吸用保護具を着用する。

6.漏出時の措置

人体に対する注意事項 作業の際は保護具を着用し、飛沫が皮膚に付着したり、ガスを吸入しないように注意する。
風上から作業する。
環境に対する注意事項 下水、側溝等に入り込まないように注意する
除去方法 危険なくできるときは漏洩を止める。
少量の場合は乾燥砂、土、おがくず、ウエス等に吸収させ密閉できる容器に回収する。
大量の場合は盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてから回収する。

7.取扱い及び保管上の注意

取扱い 吸入を防ぎ、眼、粘膜、皮膚との接触を避ける。必要に応じ適切な保護具を着用し、風上から作業する。
作業環境を許容濃度以下に保つ。
室内で取り扱う場合は蒸気の発散源を密閉する設備、または局所排気装置を設ける。
取り扱い後は、手洗い、洗顔を十分に行い、また衣服に付着した場合は着替える。
漏れ、あふれ、飛散を防ぎ、みだりに蒸気を発生させない。
火気、火花、ア−クを発生するものまたは高温点火源付近で使用しない。
取り扱い場所で使用する電気機器は防爆構造とし、機器類は静電気対策を講じる。
容器は破損、腐食、割れ等のないものを使用する。
容器はみだりに転倒させ、衝撃を加え、または引きずる等乱暴な取り扱いをしない。
容器から出し入れするときは、こぼれないようにする。
使用済容器は一定の場所を定めて保管する。
保管 .容器は直射日光を避け、風通しのよい、冷暗所に保管する。
保管場所は火気厳禁とする。

8.暴露防止及び保護措置

設備対策 蒸気の発散源を密閉する設備又は局所排気装置を設ける。
取り扱い場所の近くに安全シャワ−、手洗い、洗眼設備を設け、その位置を明瞭に表示しておく。
管理濃度 5 ppm(労働省告示第26号 1995.3.27)
許容濃度 日本産業衛生学会(2002年版)     5 ppm     18mg/m3 (皮膚吸収あり)
ACGIH(2002年版)              TLV-TWA 5ppm    (皮膚吸収あり)
保護具 防毒マスク、送気マスク、空気呼吸器、酸素呼吸器、保護手袋(ゴム)、保護長靴(ゴム)、保護眼鏡

9.物理的及び化学的性質 1) 2) 3) 4)

物理的状態
 形状 液体
 色 無色透明
物理的状態が変化する特定の温度/温度範囲
 沸点 135.1 ℃
 融点 -70 ℃
引火点 43℃(密閉式)
発火点 238℃
爆発特性
   爆発限界(93℃)  下限:1.7 vol % 上限:15.6vol %
蒸気圧 0.706kPa(5.3mmHg) (25℃)
蒸気密度 3.10 (空気=1)
密度 0.9295 (20 ℃)
溶解性 水と自由に溶け合う。
多くの有機溶剤に溶ける。
オクタノール/水分配係数 log POW=-0.540

10.安定性及び反応性

安定性 通常の取扱い条件で安定。
反応性 強酸化剤と反応して火災及び爆発の危険をもたらす。

11.有害性情報

急性毒性5)
経口 (ラット) LD50 2,125 mg/kg
経口 マウス) LD50 2,451 mg/kg
経皮 (ラット) LC50 3,900 mg/kg
吸入 (ラット) LC50 2,000 ppm/7hr
局所効果6)
刺激性
眼(ウサギ); 中程度(結膜への刺激はあるが24時間以内に回復重大な障害なし)
皮フ(ウサギ) 非常に弱い
慢性・長期毒性6) 亜急性及び慢性毒性の主なものは、貧血などの血液学的影響とオスの動物に対する精巣萎縮である。
吸入;ラット、ウサギで約400ppm、イヌで800ppmで貧血と白血球減少が認められた。
経口;マウスで2,000mg/Kgで白血球減少が見られる。
    ラットでは185mg/Kgでヘモグロビン増加が見られたが、93mg/Kg では影響はなかった。

経口;ラットで185mg/Kgで精巣萎縮が見られた。
変異原性6) サルモネラ菌を用いるAmes Test 結果は陰性である。
チャイニ−ズハムスタ−の卵巣培養細胞を用いた姉妹染色分体交換試験では陽性の結果を示す。
発がん性7) B6C3F1 マウスに500、1,000、2,000 mg/kg/day を2 年間強制投与した実験では腫瘍発生の報告はない。
F344/N ラットに500、1,000、2,000 mg/kg/day を2 年間経口投与した実験では腫瘍発生の報告はない。
また、ラット(系統不明)に1.45%の濃度を2 年間混餌投与した実験では腫瘍発生の報告はない。
生殖・発生毒性6) 吸入(ラット、ウサギ)、経口(ラット)、経皮(ラット)の各試験で催奇形性のあることが確認されている。
ラットとウサギを使ったいくつかの吸入試験の結果をまとめると次のようになる。
600ppmで、母体への毒性と胚の死亡が見られる。
160ppmで、胎仔毒性、催奇形性が見られる。
50ppmが無影響濃度(ウサギ)、又は最小影響濃度(ラット)である。
代謝・排泄・分布6) ラット体内に摂取されると、エトキシ酢酸とそのグリシン抱合体となり、尿中へ排泄され、又炭酸ガスが呼気中へ排泄される。

12.環境影響情報

残留性/分解性 化審法の既存化学物質点検で分解性良好物質とされている。
BOD2W分解度 = 63〜83 % 基質 100 mg/l 汚泥30 mg/l8)
生態毒性 セネデスムス   EC50> 1,000 mg/l(72h) 7)
   オオミジンコ    EC50> 10,000 mg/l(48h)7)
ブルーギル     LC50> 10,000 mg/l (96h) 7)

13.廃棄上の注意

棄は焼却又は活性汚泥処理によって行い、その方法は次のいずれかによる。
おがくず、ウエス等に吸着させ、焼却炉で焼却する。
焼却炉の火室へ噴霧し焼却する。
空容器を廃棄する場合は内容物を完全に除去した後処分する。
廃棄を外部に委託する場合は、免許を持った産業廃棄物処理業者に内容物を明確にして処理を委託する。 低濃度の廃水は活性汚泥処理装置でも処理できる。

14.輸送上の注意

タンク輸送等の場合、荷送人は運送人にイエローカードを交付する。
容器の破損、漏れがないことを確かめ、衝撃、転倒、落下、破損のないように積み込み荷崩れ防止を確実に行う。
タンク車(ローリー)等への充填、積み卸し時は平地に停止させ、車止めをし、接地し、タンク車の許容圧以下の圧縮ガス又はポンプを用いて行う。
ホースの脱着時はホース内の残留物の処理を完全に行う。
ローリー、運搬船には所定の標識板、消火設備、災害防止用応急資材を備える。
国際規制 IMDGコード:P.3341 クラス3 等級V
ICAO/IATA:クラス3 等級V
国連分類 クラス3 等級V
国連番号 1171

15.適用法令

労働安全衛生法 表示物質
通知対象物(第81号)
施行令 危険物(引火性のもの)
有機溶剤中毒予防規則(第2種有機溶剤)
消防法 危険物第4類第2石油類(水溶性液体)
化学物質管理促進法 第1種指定化学物質 政令番号第44号
船舶安全法危規則 第3条危険物 引火性液体類
航空法 施行規則第194条危険物 引火性液体
海洋汚染防止法 施行令 別表第1 有害液体物質(D類)

16.その他

1) 溶剤ハンドブック, 講談社(1976)
2) 溶剤便覧, 槙書店 (1967)
3) The Handbook of Solvent, D. Van Norstrand Co. Inc. (1953)
4) 国際化学物質安全性カード(ICSC)日本語版 第3集p.298 (1997),化学工業日報社 発行
5) RTECS(STN,Dec.2000)
6) Health and Safety Excutive : Toxicity Review No. 10 (1985)
7) 化学物質安全性(ハザード)評価シート
http://www.safe.nite.go.jp/data/index/pk_hyoka.hyoka_home
8) (財)化学品検査協会編集:化審法の既存化学物質安全性点検データ集 (Oct. 1992)