整理番号:No.41 |
石 油 化 学 工 業 協 会
作成 1989年 5月
改訂 2003年 3月 |
1.製品の名称 エチレングリコールモノメチルエーテル
2.組成、成分情報
| 化学名 |
: |
2−メトキシエタノール |
| 別名 |
: |
メチルセロソルブ |
| 含有量 |
: |
99%以上 |
| 化学式 |
: |
CH3OCH2CH2OH(分子量76.11) |
| 官報公示整理番号 |
: |
化審法・安衛法(2)−405 |
| CAS No. |
: |
109−86−4 |
3.危険有害性の要約
| 最重要危険有害性 |
|
|
| 有害性 |
: |
眼、気道を刺激する。中枢神経系、肝臓,腎臓に影響を与えることがある。
血液に影響を与え、貧血及び血液細胞の損傷を生じることがある。
精巣に対する影響等の生殖毒性を引き起こすことがある。 |
| 環境影響 |
: |
生分解性良好 |
| 物理的及び化学的危険性 |
: |
引火性がある。
温度が高い場所では爆発性混合ガスを作る可能性
がある。 |
| 分類の名称(分類基準は日本方式) |
: |
引火性液体、急性毒性物質 |
4.応急措置
| 吸入した場合 |
: |
患者を直ちに空気の新鮮な場所に移し、安静にして速やかに医師の手当を受ける。
呼吸が停止している場合は人工呼吸を行い、呼吸困難な場合は酸素吸入を行う。 |
| 皮膚に付着した場合 |
: |
汚染された衣服、靴などは速やかに脱ぎ捨てる。
必要であれば衣服等を切断する。
水または微温湯を流しながら洗浄する。
石けんを用いてよく洗い落とす。
外観に変化が見られたり、痛みが続く場合はただちに医師の手当てを受ける |
| 目に入った場合 |
: |
コンタクトレンズを使用している場合は固着していない限り、取り除いて洗浄する。
最低15分間洗浄した後、ただちに眼科医の手当てを受ける。
洗眼の際、まぶたを指で良く開いて、眼球、まぶたの隅々まで水が良く行きわたるように洗浄する。 |
| 飲み込んだ場合 |
: |
口をすすぐ。吐かせる(意識がある場合のみ)。医療機関に連絡する。 |
5.火災時の措置
| 消火剤 |
: |
泡(アルコホーム)、粉末、二酸化炭素 |
| 特定の消火方法 |
: |
速やかに容器を安全な場所に移す。
移動不可能な場合は容器及び周囲に散水し消火する。
火元への燃料源を断ち、消火剤を使用して消火する。
スプレー水で火災に曝露されている表面を冷やす。
消火作業は風上から行い、消火を行う人は場合によって呼吸用保護具を着用する。 |
| 消火を行う者の保護 |
: |
呼吸用保護具を着用する。 |
6.漏出時の措置
| 人体に対する注意事項 |
: |
作業の際は保護具を着用し、飛沫が皮膚に付着したり、ガスを吸入しないように注意する。風上から作業する。
|
| 環境に対する注意事項 |
: |
下水、側溝等に入り込まないように注意する。 |
| 除去方法 |
: |
危険なくできるときは漏洩を止める。
少量の場合は乾燥砂、土、おがくず、ウエス等に吸収させ密閉できる容器に回収する。
大量の場合は盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてから回収する。
|
7.取扱い及び保管上の注意
| 取扱い |
: |
できるだけ吸入、皮膚接触を防ぎ、必要に応じ適切な保護具を着用し、風上から作業する。
蒸気の発散をできるだけ抑え、作業環境を許容濃度以下に保つように努める。
取扱い後は手洗いを十分に行い、作業衣等に付着した場合は着替える。
取扱い場所では火気、火花、アークを発する物又は高温点火源を使用しない。
強酸化剤との接触を避ける。
漏れ、あふれ、飛散しないようにし、みだりに蒸気を発散させない。
取扱場所で使用する電気機器は防爆構造とし、機器類は静電気対策を講じる。
|
| 保管 |
: |
貯蔵場所では常に整理整頓及び清掃に努め、みだりに不必要な可燃物を放置しない。
収納した容器を貯蔵するときは地震等で容器が容易に転落、転倒し又は他の落下物により損傷を受けないようにする。
|
8.暴露防止措置
| 設備対策 |
: |
蒸気の発散源を密閉する設備又は局所排気装置を設ける。
取り扱い場所の近くに安全シャワ−、手洗い、洗眼設備を設け、その位置を明瞭に表示しておく。 |
| 管理濃度 |
: |
5 ppm (労働省 告示第 26 号 1995.3.27) |
| 許容濃度 |
: |
日本産業衛生学会(2002年版)
5 ppm 16 mg/m3 (皮膚吸収あり)
ACGIH(2002年版)
TLV-TWA 5 ppm (皮膚吸収あり) |
| 保護具 |
: |
有機ガス用防毒マスク、送気マスク、空気呼吸器、酸素呼吸器、保護眼鏡、保護手袋 |
9.物理的及び化学的性質
| 外観 |
|
|
| 物理的状態 |
|
|
| 形状 |
: |
液体 |
| 色 |
: |
無色透明 |
| 物理的状態が変化する特定の温度/温度範囲 |
| 沸点 |
: |
124.5 ℃ |
| 融点 |
: |
-85.1 ℃ |
| 引火点 |
: |
41 ℃(密閉式) |
| 発火点 |
: |
288 ℃ |
| 爆発特性 |
|
|
| 爆発限界 |
: |
下限:1.8 vol% 上限:14 vol% |
| 蒸気圧 |
: |
1.293 kPa(9.7 mmHg) (25
℃) |
| 蒸気密度 |
: |
2.62(空気=1) |
| 密度 |
: |
0.9646 (20 ℃) |
| 溶解性 |
: |
水と自由に溶け合う。多くの有機溶剤に溶ける。 |
| オクタノール/水分配係数 |
: |
log Pow = - 0.503 |
10.安定性及び反応性
| 安定性 |
: |
通常の取扱い条件で安定 |
| 反応性 |
: |
強酸化剤と反応して火災及び爆発の危険をもたらす。 |
11.有害性情報
| 急性毒性1) |
: |
| 経口 |
ラット |
LD50 |
2,370 mg/kg |
| 経口 |
マウス |
LD50 |
2,560 mg/kg |
| 吸入 |
ラット |
LC50 |
1,500 ppm/7 hr |
| 吸入 |
マウス |
LC50 |
1,480 ppm/7 hr |
| 経皮 |
ウサギ |
LD50 |
1,280 mg/kg |
|
| 局所効果 |
|
|
| 刺激性 |
: |
眼(ウサギ) 中程度 (500 mg/24 H,
Mild: Draize法)1)
眼(モルモット)中程度 ( 10 ug Mild
: Draize法 ) 1)
皮フ(ウサギ) 刺激性なし( EU法 ) 2)
皮フ(ウサギ) 中程度 (483 mg/24 H,
Mild: Draize法 )1) |
| 感作性 |
: |
モルモット なし2) |
| 慢性・長期毒性 |
: |
亜急性及び慢性毒性の主なものは、貧血などの血液学的影響とオスの動物に対する精巣障害である。
吸入では 300 ppm 以上でラット、マウス、ウサギに貧血と白血球減少が認められた。
経口ではマウスで 500 mg/kgで血液学的影響が見られた。
ラッ トでの無作用量は 30 mg/kg である。
動物実験で精巣萎縮が確認されている。
吸入の無作用量はラット 100 ppm, マウス
300
ppm, ウサギ 30 ppm 。
経口の無作用量は 50 mg/kg である。3)
|
| 発がん性 |
: |
報告なし 4) |
| 変異原性 |
: |
Ames Test, 酵母を用いた試験、ラットの優性致死試験、ラットの骨髄細
胞染色体異常試験でいずれも陰性である。3) |
| 生殖・発生毒性 |
: |
3, 10, 50 ppm の濃度で 6 時間/日 妊娠したウサギに曝露した。
50 ppm では母体の体重減少、胎仔毒性と共に催奇形性が見られた。
10 ppm は無影響量であった。3)
500 mg/kg(6.6 mmol/kg)を妊娠マウスの 10-15日目に尾静脈注射する(対照は
12日目に生理食塩水を注射)。
妊娠 20日目の胚致死率は、妊娠 10日目の投与後では
100 % であった。
妊娠 11-15日目の投与では、それぞれ
50, 32,
15, 2, 5 % であった(対照 2 %)。
妊娠 11-15 日目に曝露を 受けた生存胎仔の外表奇形の発生率はそれぞれ
97, 98, 100, 44, 0 % であ り、内蔵奇形の発生率は
100, 62, 44, 10, 0 % であった。
多く認められた 異常は欠指と腎臓無発育であった。5)
|
| 代謝・排泄 |
: |
ラットの経口投与では、 48 時間以内に尿中に投与量の
54〜63 % が未変化物及び代謝物として排泄された。
又、 10〜12 % が炭酸 ガスとして呼気から排泄された。
主たる代謝物はメトキシ酢酸及びそのグリシン抱合体であった。3) |
12.環境影響情報
| 残留性/分解性 |
: |
化審法の既存化学物質点検で分解性良好物質とされている。
BOD2W分解度 = 73〜94 % 基質 100 mg/l
汚泥30 mg/l6) |
| 生態毒性 |
: |
オオミジンコ |
EC50 >10,000 mg/L(24h)4) |
|
|
ブルーギル |
LC50 9,650 mg/l (96h) 4) |
|
|
ニジマス |
LC50 16,000 mg/l (96h) 4) |
13.廃棄上の注意
空容器であっても、グリコールエーテルが残留していることがあるので取扱いには注意する。
空の小型容器は栓を固く締め、空容器であることを表示し、引火の危険性のない場所に置く。
容器を修理又は廃棄する場合は、液抜きした後、水洗又はスチーム洗浄を行い有機物を完全に除去した後に行う。
廃液、高温度排水、スラッジなどは、そのまま又は易燃性溶剤とともに、少量ずつ焼却炉に噴射して焼却処理するか、
又は廃棄物処理免許を持つ処理業者に処理を委託する。
低濃度の廃水は活性汚泥処理等で処理する。 |
14.輸送上の注意
タンク輸送等の場合、荷送人は運送人にイエローカードを交付する。
タンクローリー及びタンク車で運送するとき輸送中に漏れがおこらないように液の取り出し口のバルブ、フランジ面及び安全弁の点検をあらかじめ十分に行う。
輸送前に容器が密封されているか、又は液やガスの漏れがないかを確認する。
容器の輸送及び運搬は、常にしっかり固定した状態で行い、特に瓶及び缶は輸送中に互いに衝突して破損することのないようにあらかじめ適当な緩衝物を詰めていく。 |
| 国際規制 |
: |
IMDGコード:P.3342 クラス3 等級V
ICAO/IATA:クラス3 等級V |
| 国連分類 |
: |
クラス3 等級V |
| 国連番号 |
: |
1188 |
15.適用法令
| 労働安全衛生法 |
: |
表示物質
通知対象物(第81号)
施行令 危険物(引火性のもの)
有機溶剤中毒予防規則(第2種有機溶剤)
|
| 消防法 |
: |
危険物第4類第2石油類(水溶性液体) |
| 化学物質管理促進法 |
: |
第1種指定化学物質 政令番号第45号 |
| 船舶安全法危規則 |
: |
第3条危険物 引火性液体類 |
| 航空法 |
: |
施行規則第194条危険物 引火性液体 |
| 海洋汚染防止法 |
: |
施行令 別表第1 有害液体物質(D類) |
16.その他の情報
| 1. |
RTECS(STN,Dec.2000) |
| 2. |
グリコールエーテル類に対する皮膚刺激性の研究:ウサギ、モルモット : 情報B 記事番号B 9511037,
JETOC JBASE(1997) |
| 3. |
Health and Safety Executive : Toxicity Review No.10 "Glycol
Ethers" (1985) |
| 4. |
化学物質安全性(ハザード)評価シート
http://www.safe.nite.go.jp/data/index/pk_hyoka.hyoka_home
|
| 5. |
2−メトキシエタノールの発生期特異性と用量−反応効果:ラット : 情報B Vol.18 No.5 (1996)
JETOC |
| 6. |
(財)化学品検査協会編集:化審法の既存化学物質安全性点検データ集 (Oct. 1992) |
|