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整理番号:No.32
石 油 化 学 工 業 協 会
作成    1986年 5月25日
改訂    2001年 8月

1.製品の名称  アクリル酸=2―エチルヘキシル


2.組成、成分情報

化学名 アクリル酸=2―エチルヘキシル
含有量 99%以上
化学式 CH2=CHCOO817(分子量184.28)
官報公示整理番号 化審法・安衛法(2)−990
CAS No. 103−11−7

3.危険有害性の要約

最重要危険有害性
  有害性 目を刺激する。皮膚を刺激する可能性がある。
  環境影響 水生生物に対して強い毒性がある。
生分解性の良好な物質である。
  物理的及び化学的危険性 可燃性であるので火気に注意する。
分類の名称(分類基準は日本方式) 分類基準に該当しない。

4.応急措置

吸入した場合 患者をただちに空気の新鮮な場所に移し、安静、保温に努め、速やかに医師の手当てを受ける。呼吸が停止している場合には人工呼吸を行い、呼吸困難な場合には酸素吸入を行う。
皮膚に付着した場合 汚染した衣服や靴を脱ぎ、触れた部位を多量の水で洗い流す。皮膚に炎症を生じた場合は医師の手当てを受ける。
目に入った場合 ただちに清浄な水で15分以上洗眼した後、医師の手当てを受ける。コンタクトレンズを使用している場合は、固着していない限り、取り除いて洗浄する。洗眼の際、まぶたを指でよく開いて、眼球、まぶたのすみずみまで水がよく行きわたるように洗浄する。
飲み込んだ場合 水でよく口の中を洗浄する。可能であれば吐き出させ、直ちに医師の手当てを受ける。無理に吐かせてはならない。被災者に意識がない場合には、口から何も与えてはならない。

5.火災時の措置

消火剤 粉末消火薬剤、二酸化炭素、泡消火剤、砂
特定の消火方法 火元への燃焼源を断ち、消火剤を用いて消火する。周囲の設備等の輻射熱による温度上昇を防止するため、水スプレーにより周囲を冷却をする。危険を伴わず実施できるなら、火災区域から容器を移動する。棒状水の使用は火災を拡大し危険な場合がある。
消火を行う者の保護 消火作業は風上から行い、状況に応じて呼吸保護具を着用する。

6.漏出時の措置

人体に対する注意事項 風下の人を退避させる。漏洩した場所の周辺にはロープを張るなどして、人の立ち入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用する。風下で作業しない。
環境に対する注意事項 漏出物が河川等、公共水域に流されないように留意する。
除去方法 少量の場合、漏洩した液は土砂などに吸着させて空容器に回収する。大量の場合、漏洩した液は土砂などで流れを止め安全な場所に導いた後、液の表面を泡などで覆い、できるだけ容器に回収する。
二次災害の防止策 付近の着火源となるものを速やかに取り除くと共に、消火剤を準備する。

7.取扱い及び保管上の注意

取扱い
  技術的対策
  (取扱者の暴露防止、火災爆発の防止など)
・発散した蒸気を吸い込まないようにする。
・粘膜、皮膚又は着衣に触れたり、目に入らないようにする。
・保護眼鏡、保護手袋等の適切な保護具を着用する。
・屋外での取扱いは、できるだけ風上から作業する。
・漏れ、あふれ、飛散しないようにし、みだりに蒸気を発生させない。
  注意事項
  (局所排気、全体排気、エアロゾル・粉塵発生防止など)
・室内で取扱う場合は場合は蒸気の発生源を密閉する設備、又は局所廃棄装置を設ける。
  安全取扱い注意事項
  (混合接触防止、接触回避など)
・高温物、スパーク、火炎を避け、強酸化剤との接触を避ける。
・機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
保管
  適切な保管条件 ・保管場所で使用する電気機器は防爆構造とし、機器類はすべて接地する。
・容器は直射日光を避け風通しの良い冷暗所に貯蔵し、密閉して、空気との接触を避ける。
・酸化性物質、有機過酸化物などと同一場所におかない。
・火気厳禁とする。
・消防法 危険物第4類第3石油類(非水溶性液体)の適用法規に従って保管する。
・使用済みの容器は一定の場所を定めて保管する。
・高温では重合の危険性があるので、長期保存の場合は、30℃以下に保持する。
 重合防止のため重合防止剤濃度、保存温度、所定の酸素濃度を確保する。

  安全な容器包装材料 ・鉄錆、過酸化物、水などは重合を促進するので、容器の材質はステンレス鋼、
 或いはポリエチレン、フェノール樹脂等の内面ライニング材を用いる。

8.暴露防止措置

設備対策 屋内作業場での使用の場合は発生源の密閉化又は局所排気装置を設置する。
取扱い場所の近くに安全シャワー、手洗い、洗眼設備を設け、その位置を明瞭に表示する。
管理濃度 設定されていない。
許容濃度 設定されていない。
保護具
呼吸器用の保護具 : 有機ガス用防毒マスク、送気マスク、空気呼吸器等
手の保護具 : 耐溶剤性(不浸透性)の手袋
目の保護具 : ゴーグル等
皮膚及び身体の保護具 : 保護服、保護長靴(帯電防止用)、保護前掛け等

9.物理的及び化学的性質

物理的状態
  形状 液体
  色 無色透明
臭い 特有な臭い
PH 該当しない
物理的状態が変化する特定の温度/温度
  沸点 213.5℃
  融点 -90℃
引火点 82 ℃(0.C)
発火点 252℃
爆発特性
  爆発限界 下限0.8、上限6.4 (vol %)
蒸気圧 19Pa(=0.36mm Hg) (20℃)
蒸気密度(空気=1) 6.35
密度 0.87g/cm3(20℃)
溶解性
  水に対する溶解性 不溶
  水に対する溶解度 0.01g/100ml(25℃)
オクタノール/水分配係数 logPow=3.67;4.32
その他のデータ
  分子量 184.3

10.安定性及び反応性

安定性 熱、光等により重合反応する。重合が急速に進むと温度が急上昇し、加速度的に蒸気圧が上昇して爆発する危険性がある。
この為、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)が15〜100ppm添加されている。
重合防止剤(MEHQ)は酸素が存在しないとその効力がない。よって、常に酸素の存在化で保管、貯蔵する。
気相部を不活性剤ガスでシールする場合は爆発防止、重合防止両面を考慮して酸素5〜8%を含む不活性ガスを使用する。
反応性 重合防止剤が入っていても、水分、過酸化物、鉄錆等によって重合が始まることがある。
避けるべき条件 高温、火炎、スパーク、光及び着火源
避けるべき材料 水分、過酸化物、鉄錆等との配合

11.有害性情報

急性毒性
経口 ラット LD50 6,500μL/kg
マウス LD50 4.4g/kg
吸入 ラット TCLO 103mg/m3/19W−I
マウス TCLO 187mg/kg/78W−I
経皮 ウサギ LD50 8.48g/kg
局所効果(皮膚、目など)
皮膚刺激 ウサギ 中程度であるという報告がある。
目刺激 ウサギ 中程度という報告がある。
感作性 モルモットへの感作性が認められている。
発がん性 ヒトに対する発がん性は不十分な証拠であり、実験動物に対しては限定された証拠があるとしている。
IARCによるヒトの発がんリスクの総合評価は「3」である。
変異原性 エームス試験は、陰性であった。

12.環境影響情報

残留性/分解性 生分解性の良分な物質である。
生態毒性
  魚毒性 金魚      LC50(72時間)   200ppm
Golden orfe    LC50 23ppm
  その他 藻類      EC50(8日) 1ppm

13.廃棄上の注意

残余廃棄物 焼却炉の火室へ噴霧し焼却するか、少量の場合は珪藻土等に吸着させて開放型の焼却炉で焼却する。
廃棄を外部に委託する場合は、免許を持った産業廃棄物処理業者に、内容物を明確にして処理を委託する。
汚染容器・包装 空容器を廃棄する場合、内容物を完全に除去した後に処分する。
洗浄水等は、活性汚泥等の処理により清浄にしてから排出する

14.輸送上の注意

国際規制 IMDG(国際海上危険物規則)コード:分類に該当しない
ICAO−TI(国際民間航空機関技術指針)/IATA-DGR(国際航空運送協会危険物規則):分類に該当しない
国連分類 危険物に該当しない
国連番号 無し
国内規制 消防法 危険物第4類 第3石油類(非水溶性液体)
輸送の特定の安全対策及び条件 引火性液体であるので火気厳禁である。
・車両等によって運搬する場合は、荷送人は運送人にイエローカードを携帯させる。
・運搬に際しては容器に漏れの無いことを確かめ、転倒、落下、損傷等が無いように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
・タンク車(ローリー)等への充填、積み下ろし時は平地に停車させ、車止めをし、接地し、タンク車の許容圧以下の圧縮ガスまたはポンプを用いて行う。
・ホースの脱着時は、ホース内の残留物の処置を完全に行う。
・ローリー、運搬船には所定の標識板、消火設備、災害防止用応急資材を備える。

15.適用法令

消防法 法第2条危険物第4類引火性液体、第3石油類非水溶性液体
海洋汚染防止法 施行令別表第一 有害液体物質(B類物質)

16.その他の情報

  1. アクリル酸エステル工業会:アクリル酸及びアクリル酸エステル類取扱い安全指針(平成9年)
  2. 国際化学物質安全性カード(ICSCカードNo.0478)
  3. RTECS(R)(August、2001)
  4. IARC Monograph(November、2001)
記載内容の取り扱い 記載内容は現時点で入手できる資料、データに基づいて作成しており、新しい知見により改訂されることが有ります。
含有量、物理化学的性質等の数値は保証値では有りません。
注意事項は通常の取り扱いを対象としたものであって、特殊な取り扱いの場合は、用途、用法に適した安全対策を実施のご配慮をお願いいたします。
尚、記載内容は情報提供であって、保証するものではありません。