整理番号:No.27 |
石 油 化 学 工 業 協 会
作成 1986年 5月25日
改訂 2001年 8月 |
1.製品の名称 酢酸イソブチル
2.組成、成分情報
| 化学名 |
: |
酢酸イソブチル |
| 別名 |
: |
酢酸-2-メチルプロピル、イソブチルアセテート |
| 含有量 |
: |
98%以上 |
| 化学式 |
: |
CH3COOCH2CH(CH3)2 (分子量
116.16) |
| 官報公示整理番号 |
: |
化審法・安衛法(2)−731 |
| CAS No. |
: |
110−19−0 |
3.危険有害性の要約
| 最重要危険有害性 |
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| 有害性 |
: |
高濃度の蒸気を吸入すると中毒を起こすおそれがある。 |
| 環境影響 |
: |
水生生物に対する毒性は弱い。 |
| 物理的及び化学的危険性 |
: |
引火性の液体で爆発性混合ガスを形成することがある。 |
| 分類の名称(分類基準は日本方式) |
: |
引火性液体、急性毒性物質 |
4.応急措置
| 吸入した場合 |
: |
被災者を直ちに空気の新鮮な場所に移動させる。
身体を毛布などでおおい、保温して安静を保つ。 呼吸が止まっている場合及び呼吸が弱い場合は、呼吸気道を確保した上で人工呼吸を行う。
意識はないが呼吸している場合、又は意識はあるが呼吸困難な場合には酸素吸入が有効である。医師の指導の下に行うことが望ましい。 |
| 皮膚に付着した場合 |
: |
汚染された衣服、靴などは速やかに脱ぎ捨てる。必要であれば衣服等を切断する。
その後、水又は微温湯を流しながらよく洗浄する。外観に変化が見られたり、痛みが続く場合は医師の手当てを受ける。 |
| 目に入った場合 |
: |
15分間以上多量の水で洗い流し(コンタクトレンズをしようしている場合は固着していない限り取り除いて)、医師に連れて行く。 |
| 飲み込んだ場合 |
: |
水でよく口を洗わせる。吐かせようとしてはいけない。嘔吐が自然に起こったときは気道への吸入が起きないよう身体を傾斜させる。保温して速やかに医師の手当てを受ける。
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5.火災時の措置
| 消火剤 |
: |
噴霧水、粉末、泡(耐アルコール泡)、二酸化炭素 |
| 特定の消火方法 |
: |
火災発生場所の周辺に関係者以外の立ち入りを禁止する。
消火作業の際には自給式呼吸器等の保護具を着用する。
初期の消火には粉末、二酸化炭素などを用いる。大規模火災の際には、泡(耐アルコール泡)消火剤などを用いて空気を遮断するのが有効である。
周辺火災の場合は周囲の設備などに散水して冷却する。移動可能な容器は速やかに安全な場所に移す。
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6.漏出時の措置
| 人体に対する注意事項 |
: |
暴露防止のため保護具を着用し、飛沫の皮膚への付着や
ガスの吸入をしないよう注意する。 |
| 環境に対する注意事項 |
: |
下水や側溝等に入り込まないように注意する。 |
| 除去方法 |
: |
付近の着火源となるものを速やかに取り除く。漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立ち入りを禁止する。
危険なくできる時は漏洩をとめる。
少量漏出の場合には、乾燥砂、土、おがくず、ウエス等に吸収させ密閉できる容器に回収する。
大量の場合には、盛り土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてから回収する。 |
7.取扱い及び保管上の注意
| 取扱い |
: |
- 吸入を防ぎ、目、粘膜、皮フとの接触を避ける。必要に応じ適切な保護具を着用し、風上から作業する。
- 作業環境を許容濃度以下に保つ。
- 室内で取扱う場合は蒸気の発散源を密閉する設備、又は局所排気装置を設ける。
- 取扱後、手洗い洗顔等を十分に行い、衣服に付着した場合は着替る。
- 漏れ、あふれ、飛散を防ぎ、蒸気を発散させない。
- 引火しやすいため、火気、火花、アークを発生するものまたは高温点火源を付近で使用しない。
- 取扱い場所で使用する電気機器は防爆構造とし、機器類には静電気対策を講じる。
- 容器は破損、腐食、割れ等のないものを使用する。
- 容器はみだりに転倒させ、衝撃を加え、または引きずる等の乱暴な取扱いをしない。容器から出し入れするときは、零れないようにする。
- 流動によって静電気が発生する場合があるので出し入れの容器にはアースをとる。
- 使用済み容器は一定の場所を定めて保管する。
- 充填、取り出し、取扱時に圧縮空気を使用してはならない。
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| 保管 |
: |
- 容器は直射日光を避け、風通しのよい、冷暗所に保管する。
- 保管場所は火気厳禁とする。
- 酸化性物質、有機過酸化物、塩基、酸等と同一の場所で保管しない。
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8.暴露防止及び保護措置
| 設備対策 |
: |
室内での取扱いの場合は発生源の密閉化又は局所排気装置を設置する。
取扱い場所の近くに安全シャワー、手洗い、洗顔設備を設け、その位置を明瞭に表示しておく。
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| 管理濃度 |
: |
150 ppm(労働省告示第26号
1995.3.27) |
| 許容濃度 |
: |
日本産業衛生学会(2000年版):未設定
ACGIH(2001年版):TLV-TWA 150 ppm。 |
| 保護具 |
: |
| 呼吸器の保護具 |
: |
有機ガス用防毒マスク、送気マスク、空気呼吸器 |
| 手の保護具 |
: |
保護手袋 |
| 目の保護具 |
: |
保護眼鏡 |
| 皮膚及び身体の保護具 |
: |
保護長靴 |
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9.物理的及び化学的性質
| 外観 |
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| 物理的状態 |
: |
液体 |
| 色 |
: |
無色透明 |
| 臭い |
: |
果実様臭気 |
| PH |
: |
測定項目に該当しない |
| 物理的状態が変化する特定の温度/温度範囲 |
| 沸点 |
: |
118 ℃ |
| 融点 |
: |
- 99 ℃ |
| 引火点 |
: |
18 ℃(密閉式)5) |
| 発火点 |
: |
421 ℃ 5) |
| 爆発限界 |
: |
下限:1.3 vol% 上限:10.5
vol% 5) |
| 蒸気圧 |
: |
1.73 kPa (20℃) |
| 相対蒸気密度 |
: |
4.0 (空気=1) |
| 比重 |
: |
0.87(20℃) |
| 溶解性 |
: |
水に溶けにくい( 0.6 g/100g
20℃)、多くの有機溶剤に溶ける。 |
| オクタノール/水分配係数 |
: |
log Pow = 1.60 5) |
10.安定性及び反応性
| 安定性 |
: |
通常の状態では安定。水分と接触し徐々に酢酸とイソブタノールを生じる。 |
| 反応性 |
: |
強塩基、強酸、硝酸塩、強酸化剤と反応し、発火爆発に至ることがある。
プラスチックやゴムを侵すことがある。 |
11.有害性情報
ヒトへの影響
950ppm,30分間の暴露で鼻、眼に刺激症状があらわれ頭痛、衰弱が起こる。
蒸気は上気道を刺激し、悪心、吐き気、めまい、意識消失を引き起こす。液体は眼を刺激し、皮フを刺激することもある。 1)
| 動物への影響 |
|
|
| 急性毒性 |
: |
経口 ラット LD50
13,400 mg/kg 2)
経口 ウサギ LD50 4,763 mg/kg 2)
吸入 ラット 8,000 ppm/4Hで6匹中4匹死亡 3)
21,000ppm/150minで全部死亡
3,000ppm/6Hでは特別の症状はなかった。
経皮 ウサギ LD50 > 17400 mg/kg 2) |
| 局所効果(皮膚、目) |
: |
皮膚刺激性 ウサギ 軽度
(Open 500mg ) 2)
ウサギ 中等度 ( Draize Test 24h 500mg ) 2)
目刺激性 ウサギ 中等度 ( Draize Test 24h 500mg ) 2) |
| 発がん性 |
: |
IARCやACGIH、NTPで評価、分類の対象になっていない。 |
12.環境影響情報
| 残留性/分解性 |
: |
生分解はある程度可能。
1) |
| 生態毒性 |
: |
こえび LC50 24hrs 1,200 ppm 1)
藻類(Microcystis aeruginosa) Toxicity Threshold(8dEC0) 205
mg/l 4) |
13.廃棄上の注意
-
- ・廃棄は焼却により行う。その方法は次のどれかによる。
- 焼却炉の火室へ噴霧し焼却する。
- 少量の場合はケイソウ土等に吸収させて焼却炉で焼却する。
- ・これを含む廃水は活性汚泥等の処理により清浄にしてから排出する。
- ・空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除いた後処分する。
- ・これらの処理は、法規の規定に従って行う。
14.輸送上の注意
| 国際規制 |
: |
IMDG(国際会場危険物規則)コード:ハザードクラス3(Flammable
liquid) Packing groupU
ICAO-TI(国際民間航空機関技術指針)/IATA-DGR(国際航空運送協会危険物規則):ハザードクラス3(Flammable
liaquid), Packing groupU |
| 国連分類 |
: |
クラス3(引火性液体、P.G2) 国連番号:1213
輸送の特定の安全対策及び条件:車両等により運搬する場合、荷受人に運送注意書や、イエローカードを携帯させる。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷がないように積み込み、或いは積み下ろしを行う。
タンク車(ローリー)等の荷役時は車止めをし、エンジンを止め、ホース等の結合を確認する。また、ホースの脱着時はホース内の残留物の処理を完全に行う。 |
15.適用法令
| 労働安全衛生法 |
: |
施行令別表第1危険物(引火性のもの)
施行令別表第6の2有機溶剤(第2種有機溶剤)
施行令第18条名称等を表示すべき有害物
法第57条の2通知対象物(政令番号第182号) |
| 消防法 |
: |
危険物第4類第1石油類(非水溶性液体)指定数量200L |
| 船舶安全法 |
: |
危規則告示別表第5(引火性液体類、P.G.2)
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| 航空法 |
: |
告示別表第3(引火性液体)
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| 海洋汚染防止法 |
: |
施行令別表第1有害液体物質(C類) |
16.その他の情報
引用文献
- HSDB (http://toxnet.nlm.nih.gov/ May.2001)
- RTECS(STN,Dec.2000)
- ACGIH Documentation ISOBUTYL ACETATE (1992)
- Karel Verschueren : Handbook of Environmental Data on Organic Chemicals 3rd ed. 1152 VAN NOSTRAND REINHOLD
- 国際化学物質安全性カード(ICSC)日本語版 第3集p.298 (1997),化学工業日報社 発行
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