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生産・需要の動向

○生産
  • エチレン生産は、2007年に過去最高の774万トンとなったが、リーマンショック後は、石油化学製品においても急激な減産を余儀なくされ、2008年の生産は688万トン、前年比11%減の大幅なマイナスとなった。
  • 2009年においては年初、減産傾向が続いたが、第2四半期以降は、各国政府による景気対策の効果が浸透し、中国の国内需要の増加が周辺各国の輸出を刺激したこともあり、 エチレン生産は691万トンと700万トンに近づく生産となった。
  • この後、2010年には、政府によるエコカー減税・補助金、家電エコポイント制度等の国内需要の喚起策から、国内需要は改善方向に向かい、一時的な踊り場状態があったもののユーザー産業での生産回復によりエチレン生産は前年比2%増の702万トンと3年ぶりに700万トン台の生産となった。
  • 震災直後は、石油化学製品製造設備における点検・整備や関連インフラ設備の復旧に時間を要したことやユーザー産業でのサプライチェーンの寸断等もあり、生産が停滞することとなった。また、為替相場の円の高止まり傾向が強まり、輸出が低迷すると同時に汎用樹脂製品の輸入の増加影響も受け、2011年のエチレン生産量は前年比5%減の669万トンに落ち込むことになった。
  • 2012年においても震災後の復興需要の増加から当初は、緩やかながらも回復が期待されていたが、欧州地域における財政危機による影響が世界的に広まり、新興国の成長を鈍化させたこともあり、石油化学製品の国内出荷、輸出も伸び悩み、年間の生産量は615万トン、前年比8%減となり、リーマンショック時の生産をも下回る状況となった。
○内需
  • エチレン換算ベースの内需は、概ね500万トン後半で推移してきたが、2008年は、金融危機の影響によるユーザー産業の生産活動の低迷等により、国内需要は541万トン、前年比6%の減小となった。
  • 翌、2009年には、国内出荷の低迷が続き、極端に外需依存度が高くなり年間では500万トンを割り込む459万トンにまで落ち込むこととなった。
  • その後、2010年には、漸く国内出荷も改善の方向に向かいはじめ、国内需要も516万トン、前年比12%の増加となった。
  • 震災があった2011年には、国内からの供給上の障害が生じたものの輸入品の増加から国内需要量としては、比較的安定して推移し年間では513万トンと前年比微減に留まった。
  • 2012年には、新興国の成長鈍化に伴いユーザー業界での輸出不振もあり、かろうじて500万トン台を維持したものの低水準であった。

エチレン生産・石化製品内需・ネット輸出量

(単位:千トン)
  生産 内需 ネット輸出
2008年
前年比
6,882 5,405 1,287
▲11% ▲6% ▲36%
2009年
前年比
6,913 4,591 2,533
+0% ▲15% +97%
2010年
前年比
7,018 5,159 1,901
+2% +12% ▲25%
2011年
前年比
6,689 5,128 1,484
▲5% ▲1% ▲22%
2012年
前年比
6,145 5,002 1,205
▲8% ▲2% ▲19%
(注) 1. 生産は経済産業省「化学工業統計」。
2. 内需(エチレン換算値)は、エチレン生産に主要エチレン系石化製品の輸出入(財務省貿易統計)及び在庫増減を加味し、〔エチレン生産〕+〔輸入〕−〔輸出〕±〔在庫増減〕により算出。
3. ネット輸出はエチレン換算量で、[輸出]−[輸入]により算出。

エチレン生産・石化製品内需・ネット輸出推移グラフ
(注)同上

主要樹脂の国内出荷推移グラフ

○輸出入
  • 石油化学製品の輸出(エチレン換算量ベース、以下同じ)は、1999年以降においては、200万トン台で推移してきた。2008年のリーマンショック時にはアジア向け輸出の急減により183万トン、前年比24%の減となった。2009年には国内需要が低迷する中、新興国向けの需要増加に伴い輸出が急増し、年間の輸出量は294万トン、前年比61%の大幅増加となり、過去最高の輸出量を記録した。
  • 2010年においては、国内需要の改善もあり、輸出量は減少し244万トンと平年並みに落ち着きを見せた。
  • 震災後は、年央までは供給面の影響から輸出は減少するとともに年後半からは欧州の財政危機影響の顕在化から新興国向け需要が鈍化し始めたため輸出量は219万トン、前年比10%の大幅なマイナスとなった。2012年もアジア域内の需要は改善に至らず輸出は191万トン、前年比13%のマイナスとなり、200万トンを割り込む輸出となった。
  • これに対し、輸入は、年間40万トン台の水準で安定して推移してきたが、2010年においては為替相場の変動要因等もあり、53万トン、前年比31%増と増加に転じた。
  • 2011年には震災による供給面での対応や内外価格差から輸入品の増加が顕著となり、年間では71万トン、前年比33%の大幅な増加となった。
  • 続く2012年もアジア域内の需要鈍化、長引く円の高止まり影響等から、ほぼ前年並みの704万トン、前年比1%となり、内需に占める輸入比率も2010年以降徐々に上昇している。

エチレン生産・石化製品内需・ネット輸出推移グラフ
(注) 輸出入は、財務省「貿易統計」を基に、主要エチレン系製品(エチレンモノマーを含む)をそれぞれのエチレン原単位で換算し集計。